英語コーチングスクール「トライズ」を率いる三木雄信氏が、自身の経験と考察に基づき、世界のビジネスリーダーたちが集う「EMBA」での学びを深掘りしています。孫正義氏の元右腕として数々の重要プロジェクトに携わってきた同氏は、多額の私費を投じてこの国際的なプログラムに参加。日本人が高額なEMBAに自己資金で挑む背景には、単なる知識習得以上の、世界市場での自身の価値向上とキャリア設計という明確な目的があることを明らかにしています。これは、単なる自己啓発に留まらない、未来を見据えた戦略的な自己投資と言えるでしょう。
この連載では、EMBAにおける教育内容や環境が、日本のビジネス教育とどのように異なるのか、そしてその違いが参加者の意識や行動にどのような影響を与えるのかが詳述されています。特に、グローバルな視点を持つ同級生たちが、在学中にキャリアアップや起業といった具体的な成果を出している事例を通じて、EMBAが単なる学問の場ではなく、実践的なキャリア加速のプラットフォームであることを示唆しています。三木氏自身の視点と、他の日本人参加者の視点を比較することで、日本人がEMBAに求める価値観の多様性と、それがどのように世界基準の報酬体系に結びつくのかが浮き彫りにされています。
世界で活躍するEMBA日本人受講生たちの動機
「トライズ」の三木雄信社長は、高額な学費を自己負担してEMBAプログラムに参加する日本人の狙いを深掘りしています。彼らは会社派遣ではなく自らの意思で学びの場に身を置き、その投資に見合う将来的なリターンを明確に計算している点が特徴です。このプログラムは通常のMBAとは異なり、10年以上の実務経験を持つ管理職や経営者を対象としており、議論の焦点は企業全体の運営や取締役としての視点に置かれます。三木氏自身は事業拡大を目的として参加していますが、多くの日本人受講生は、グローバルな給与水準を前提とした自己の市場価値向上を目指しているのです。
三木氏が学ぶUCLA-NUS Executive MBAは、世界ランキング上位に位置するジョイントプログラムであり、シンガポール、アメリカ、中国、UAEなど複数の国で授業が行われます。新しい学年を迎えるにあたり、日本人受講生たちとの交流を通じて、彼らが世界の給与相場を意識し、キャリアを一段引き上げるための明確な投資としてEMBAを捉えていることに驚きを覚えたと語っています。日本人以外の同級生も、在学中にマネージャーへの昇進、教授との共同起業、あるいは転職準備など、具体的な行動を起こしており、EMBAが単なる学習の場ではなく、実践的なキャリア変革の機会であることが鮮明に示されています。
日本のビジネス教育との視点の相違と実践的価値
三木氏がEMBAで肌で感じたのは、日本のビジネス教育との根本的な「設計思想」の違いです。知識の「新しさ」以前に、「何のために学ぶのか」という前提が大きく異なるという指摘は、日本の教育システムが抱える課題を浮き彫りにしています。EMBAでは、単に知識を詰め込むだけでなく、経営者としての全体的な視点や、企業全体を動かすための戦略的思考が重視されます。これは、グローバルなビジネス環境で通用するリーダーシップを育成するための実践的なアプローチと言えるでしょう。
コーポレートガバナンスの授業を例にとると、日本の教育が理論や既存の枠組みに終始しがちなのに対し、EMBAではより実践的な視点から、企業統治のあり方や、それが企業価値にどう影響するかといった議論が活発に行われます。このような教育環境は、受講生が自身の事業やキャリアを世界水準で捉え、具体的な行動へと繋げるための強力な後押しとなります。EMBAの経験は、参加者にとって自身の専門分野だけでなく、より広範なビジネス視点と国際的なネットワークを獲得する貴重な機会であり、それが高額な学費を投じる価値として認識されているのです。