2026年夏の旅行トレンド:W杯と国内旅行、そして映画ロケ地巡りの影響

エクスペディア・グループが発表した2026年夏の旅行トレンドレポート「Unpack ’26 Summer」によると、今年の夏はFIFAワールドカップの影響が大きく、旅行の傾向が二極化すると分析されています。具体的には、ワールドカップ開催地へ向かう「熱狂旅」と、その裏をかくように混雑を避け、費用を抑える「混雑回避コスパ旅」に分かれる見込みです。このレポートは、エクスペディアとHotels.comの検索・予約データに加え、9カ国1万1000人の旅行者への調査結果に基づいてまとめられています。
世界的に国内旅行への関心が高まっており、その傾向はSNSの投稿数にも顕著に表れています。2026年2月1日から4月29日までの夏の国内旅行に関するSNS投稿は、前年同期比で77%も増加しました。エクスペディアの日本におけるホテル検索データ(2025年と2026年の5月22日~8月31日を比較)を見ると、温泉地や自然豊かな地域だけでなく、都市近郊も人気を集めています。都道府県別では東京都が前年同期比48%増、滋賀県が同32%増、福岡県と群馬県が同22%増と続いており、市町村別では箱根(51%増)、金沢(36%増)、宮古島(31%増)といった定番の観光地が上位にランクインしています。ワールドカップ開催を控える北米では、6月から7月にかけて旅行需要が世界的に高まっており、特に日本代表戦の開催地であるダラスの検索数は前年同期比で6655%増という驚異的な伸びを示しました。一方で、混雑を避け、費用対効果の高い旅行を求める動きも活発化しており、ホテルの平均宿泊単価が下落している福岡(35%減)、奈良(30%減)、京都(15%減)といった地域が、旅行者にとって魅力的な選択肢として注目されています。さらに、映画やドラマのロケ地巡りも世界的なトレンドとして浮上しており、2026年夏には英国のヨークシャー、アニメ映画の実写版公開で注目されるサモアやハワイ、ギリシャ神話を題材とした映画の舞台となったペロポネソス半島などで需要の拡大が見込まれています。
このレポートからは、旅行者の価値観が多様化し、個々の興味や目的に合わせた旅のスタイルが選択されていることが伺えます。サッカーのような大規模な国際イベントが旅行動機となる一方で、静かで落ち着いた国内の魅力を再発見したり、文化的な体験を求めて映画やドラマの舞台を訪れたりする動きも活発です。これらの多様なニーズに応えることで、観光業界は今後も持続的な成長を遂げることができるでしょう。