山田杏奈さんが、最新主演映画『NEW GROUP』の撮影エピソードや役作りの詳細、そして彼女の海外ドラマに対する情熱について明かしました。家族問題を抱える高校生「愛」を演じる上での内面的な葛藤や、映画を彩る独特な恐怖シーンの舞台裏について語り、作品に込められたメッセージとその解釈への期待を寄せています。
2025年には『早乙女カナコの場合は』や『恋に至る病』など複数の話題作に出演し、今年も『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』への参加が続く山田杏奈さん。そんな彼女が主演を務める『NEW GROUP』では、家庭に問題を抱え、内向的な高校生の主人公を演じています。組体操という集団行動を題材に、人間の心理の根底をコミカルかつシリアスに描き出したこの作品について、山田さんは撮影秘話や役柄への思い入れ、さらには自身の好きな海外ドラマシリーズについて深く語っています。
映画『NEW GROUP』は、下津優太監督の前作『みなに幸あれ』が持つ独特な恐怖表現とは異なる、SFサイコエンターテインメントというジャンルに挑戦しています。山田さんは初めて台本を読んだ際、内容の理解に苦しみ、現場で役柄を掴んでいくしかないと感じたそうです。特に「組体操が世界を救う?」という不可解なテーマに対し、監督に質問を重ねることで徐々に理解を深めていったと明かしました。集団行動のテーマを通して監督が伝えたいことや、「自分で考えることを放棄すること」の意味を探求し、それがどのように作品の演出に繋がっているのかを現場で確認しながら演技に臨んだといいます。
山田さんが演じる主人公「愛」は、一見流されやすい性格に見えながらも、人間ピラミッドには加わらないという強い意志を持っています。彼女は自分の決断に自信を持てず、心の内にある感情を表に出せない一面もあります。山田さんは、愛の「強さ」と「弱さ」のバランスをどのように表現するかを重視し、役作りを進めました。愛がピラミッドに加わらないのは、単に強い意志だけでなく、青木柚さん演じる「優」の存在が大きかったのかもしれないと語り、役の多面性を追求したことを伺わせます。演技においては、愛の「恐れ」や「迷い」といった弱い部分を素直に表現することで、観客が共感できるように心がけたそうです。学校での人間ピラミッドや家庭で起こる異変といった奇妙な状況を、愛がどう乗り越えていくのかを丹念に演じきりたいという強い思いで撮影に挑みました。
人間ピラミッドの撮影シーンでは、エキストラやクラスメイトの出演者、そして日本体育大学の学生たちが協力しました。山田さんは、ピラミッドのすぐそばで演技する中で、参加者たちの顔が次第に歪んでいくのを見て、「絶対にミスできない」という強い気持ちで撮影に臨んだと語ります。特に、クラスメイトが組体操の状態で愛を攻撃するシーンは、その奇抜さから笑いを誘う一方で、じわじわと恐怖を感じさせる場面として印象的だったとのこと。このシーンの撮影では、多くの人が一度に動くため大変でしたが、日体大の協力もあり、安全に配慮しながら進行できたため、安心して演技に集中できたといいます。監督がカメラが回っている最中に「はい!こっちから組体操の攻撃が来るよー!」と叫びながら指示を出していたエピソードは、現場の熱量を物語っています。これにより、アフレコでセリフを入れる際にも、緊迫感のある演技ができたと振り返りました。
『NEW GROUP』の撮影を通して、山田さんは新たな挑戦に直面しました。監督が「観客は主人公が怖がっている姿を見て恐怖を感じる」と述べたことから、「恐怖」を表現するための表情のバリエーションを考えることが、彼女にとっての大きな課題でした。愛が感じる恐怖だけでなく、苦しむ描写も多かったため、演技が単調にならないよう細心の注意を払ったそうです。特に、愛が両親に首を絞められるシーンでは、自身の演技が十分に苦しそうに見えないという指摘を受け、表現の奥深さを改めて実感しました。この難しいシーンを通して、多くの気づきがあったと山田さんは語ります。
完成した作品について、山田さんは観客それぞれが異なる解釈をするだろうと予測し、公開後の感想を心待ちにしています。これまでにない新感覚の映画体験ができるはずだと自信を覗かせ、期待を寄せています。また、かつて出演したドラマ『シナントロープ』で演じた水町ことみの役柄についても触れ、裏で壮大な計画を実行していたキャラクターの複雑な内面を表現する難しさや、共演者との刺激的な現場について語りました。特に最終回で水町の真実が明かされた際、その多忙さに驚いたと振り返り、この作品が自身にとって大切なものになったと強調しています。
今後もホラー作品に挑戦したい気持ちはあるかと問われ、山田さんは「追い詰められたときのお芝居の経験値は上がっている」と感じており、機会があればぜひ再挑戦したいと意欲を見せました。また、自身が大ファンであるドラマ『ウォーキング・デッド』を引き合いに出し、ゾンビものへの出演も「ウェルカム」だと語っています。最近鑑賞した作品としては、映画業界を舞台にしたドラマ『ザ・スタジオ』や、SFとホラーが融合した『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を挙げ、非日常を味わえるこれらの作品を読者にも強く推薦しました。山田さんにとって、『NEW GROUP』のようにSFとホラーが融合した作品は、常にワクワクするものだということです。