KIRINJI・堀込高樹:音楽と私生活に映る57歳の現在地







先日開催されたGREENROOM FESTIVALでのKIRINJIの素晴らしいステージ後、ボーカリストの堀込高樹氏が独占インタビューに応じ、57歳を迎えた彼自身の音楽観、ファッションへのこだわり、そして日常生活における料理を通じた気分転換法について深く語りました。フェス特有の「即興性」に魅力を感じつつも、普段のライブとは異なる準備の難しさも吐露。彼の言葉からは、長年のキャリアに裏打ちされたプロフェッショナリズムと、常に新しい表現を追求する姿勢が感じられます。
横浜の夕暮れ時、GREENROOM FESTIVALのBLUE SKY STAGEを締めくくったKIRINJIの演奏は、まさに一日のフィナーレを飾るにふさわしい、洗練されたひとときを来場者に提供しました。潮風が心地よい開放的な会場には、KIRINJI独自のジャズ、ソウル、AORの要素が融合したグルーヴが静かに広がり、その余白を活かした演奏と、堀込高樹氏の落ち着いた存在感が、派手さではなく、じんわりと会場の雰囲気を変化させていきました。これはまさに、観客を魅了するKIRINJI流のステージングと言えるでしょう。
インタビューでは、ライブを終えた直後の率直な感想として、「多くの観客がKIRINJIに注目してくださり、励みになった。内容も良かったと思うが、フェスの難しさも改めて感じた」と述べました。普段のコンサートでは、音響調整を細部にわたって行うことができるのに対し、フェスでは「ぶっつけ本番」に近い状況でパフォーマンスに臨むことが多く、それがフェスならではの醍醐味であると同時に、挑戦でもあると語っています。
また、ステージ衣装に関しては、「光沢のあるブラウスを選ぶことが多い。照明や花火の光に当たったときに華やかに見えるように」と、視覚的な効果も意識していることを明かしました。さらに、「遠目からでも何を着ているか分かりやすいように、発色が良く、柄の大きいものを選ぶ」という、プロとしてのこだわりも語られました。今年のGREENROOM FESTIVALでは、ステージメンバーがフェスのテーマカラーであるグリーンを意識した服装を選んだそうですが、堀込氏自身は偶然グリーン系の服を着用していたとユーモラスに振り返っています。
普段のファッションについては、「きれいめなスタイルが多い」としながらも、「シャツできっちりというよりは、ベーシックながらも少し特徴のあるカジュアルな服装を好む」と説明しました。最近のお気に入りブランドとして「CABaN」を挙げ、アルバムプロモーションのために購入したカーディガンやスラックスが、自身の日常のスタイルに自然に溶け込んでいると語っています。以前はファッションにそこまで興味がなかったものの、スタイリストが常についているわけではないため、自分で服を探すようになったとのこと。また、近年はラジオ出演時にもカメラが入るなど、映像が拡散される機会が増えたため、以前よりも服装に気を配るようになったと、時代の変化に対応する姿勢を見せています。
音楽制作においても、日常の小さな工夫が作品に深みを与えるように、ファッションや料理といった日々の営みも、堀込氏の表現活動に密接に結びついています。彼の音楽は、ジャンルにとらわれない豊かな表現力で、日本のポップミュージックシーンに常に新たな息吹を吹き込み続けています。