SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL9:GT3レーシングカーのような性能進化









新世代のロードバイク:TARMAC SL9が切り拓くレーシングの世界
S-WORKS TARMAC SL9:究極の進化を遂げた一台
SPECIALIZEDが送り出す第9世代のピュアレーシングロード、S-WORKS TARMAC SL9は、「すべてを制覇する」というコンセプトを掲げ、さらなる進化を遂げました。この最新鋭マシンは、ゴールまでの時間を短縮することに特化し、綿密なシミュレーションを重ねて開発されました。日頃からTARMAC SL7を愛用し、厳しい環境でバイクを限界まで使いこなす「せいちゃん」が、前作SL8との比較試乗を通じて、その真髄を深く掘り下げていきます。
最新トレンドを反映したパーツアッセンブル:世界基準のパッケージ
試乗用に準備されたS-WORKS TARMAC SL9の52サイズには、驚くべきパーツ構成が採用されていました。クランク長は165mm、ハンドルはブラケット部が380mmと狭く、下ハンドルに向かって広がるフレア形状です。これは、ワールドツアーで主流となっている最新のセッティングトレンドを明確に反映したものです。股関節の動きを最適化し、ペダリング効率を高めるショートクランクと、前面投影面積を削減し、空気抵抗を最小限に抑えるナローハンドル。プロ選手たちがこぞって採用するこれらの機材最適化が、完成車の状態で手に入るのです。このパッケージングからは、「最新のレースで勝利するための機材」としてのメーカーの並々ならぬ本気が感じられます。
SL8からの劇的な変化:レーシーなフィーリングの向上
前作S-WORKS TARMAC SL8との比較試乗を行いました(ただし、SL8の試乗車はホイールがRapide CLX Sprintのクリンチャー仕様であり、足回りの条件は完全に同一ではありません)。メーカーの事前説明では、「SL9のフレーム剛性はSL8と変わらない」とされていましたが、実際に乗り比べてみると、その印象は大きく異なります。SL9はSL8と比較して「非常にレーシーなバイクになった」というのが第一印象で、ペダルを踏み込んだ際の体感は明らかに「硬い」ものでした。特にフロント周りのソリッドさには驚かされます。ダンシングでバイクを左右に振る際や、高速でコーナーに進入しハードブレーキングを行う際にも、フロントエンドが全くよれることなく、まるでカミソリのように路面を切り裂いていく感覚があります。この強力なフロント剛性感は、空力性能を追求し、全く新しい形状へと生まれ変わった「Flow Fork(フロー・フォーク)」や、新たなチューブ形状がもたらす恩恵でしょう。ベンチテストにおける数値上の剛性が同じであっても、実際のライディングで応力がかかった際のフレームの挙動や、ライダーが「感じる」硬さが、これほどまでに変化することに感銘を受けました。