れきしぶんか

がんと心のケア:QOL向上のためのサポート

がんと診断された患者様が経験する精神的苦痛は、身体的な症状と同じくらい重要であり、その対処法を知ることは、治療の質(QOL)を高める上で不可欠です。本稿では、がん治療に伴う様々なストレスが心身に及ぼす影響を深く掘り下げ、国立がん研究センターの専門家による適切なサポートと知識の重要性を解説します。

がんと向き合う心:ストレスを乗り越えるための知識とケア

がんに伴う精神的負担の理解と対策

がんと診断されると、患者様は病状の告知、治療による副作用、そして将来への不安など、多種多様なストレスに直面します。これらのストレスは、単に気分が落ち込むだけでなく、心身に広範な影響を及ぼす「気持ちのつらさ」を引き起こします。国立がん研究センターのがん医療支援部部長、藤澤大介先生は、この「気持ちのつらさ」が、悲しみ、不安、怒りといった感情的な症状に留まらず、思考力や集中力の低下、活動性の減少、食欲不振や不眠といった身体症状にまで及ぶことを指摘しています。

専門家からの洞察:藤澤大介先生の紹介

藤澤大介先生は、精神科医であり公認心理師として、長年にわたり精神腫瘍学の分野で活躍されています。慶應義塾大学医学部を卒業後、様々な医療機関での経験を経て、2025年より国立がん研究センターがん対策研究所がん医療支援部の部長に就任。認知行動療法や精神腫瘍学を専門とし、がん患者様が全国どこでも質の高い医療支援を受けられるよう、支援方法の開発、提供、教育に尽力しています。

がんによる深いストレスが引き起こす多様な症状

がんが引き起こすストレスは、患者様の「気持ちのつらさ」として現れます。このつらさは、単なる精神的な問題ではなく、身体的、認知的、行動的な側面にも影響を及ぼします。例えば、絶望感、常に悲しい気分、過度な心配、集中力の欠如、記憶力の低下、意欲の喪失、そして睡眠障害や食欲不振などが挙げられます。これらの症状は複雑に絡み合い、患者様の日常生活の質を著しく低下させる可能性があります。

感情、思考、身体、行動への影響

「気持ちのつらさ」は、気分、思考、身体、行動の四つのカテゴリーにわたる症状として現れます。気分症状としては、持続的な悲しみや不安、恐怖、怒りなどがあります。思考症状では、ネガティブな考えが止まらない、集中できない、物事を決められないといった問題が見られます。行動症状には、人との交流を避ける、活動的でなくなる、食行動に異常を来すなどがあります。身体症状では、不眠、頭痛、動悸、食欲不振などが複合的に発生し、患者様の全体的な健康状態に影響を与えます。

認知機能と行動の変化:周囲の理解の重要性

がんによるストレスは、時に物忘れや集中力の低下といった認知機能の変化を引き起こすことがあります。高齢の患者様の場合、これを認知症の始まりと誤解することもありますが、多くの場合、強いストレスが原因であることがあります。また、周囲からは「身勝手」と見られがちな行動、例えば投げやりな言動や喫煙・飲酒量の増加なども、心のつらさから来る余裕のなさの表れである可能性があります。藤澤先生は、患者様とその家族に対し、これらの多様な症状を理解し、患者様の言動の背景にあるストレスに目を向けることの重要性を強調しています。誰もが経験しうるこの普遍的な「気持ちのつらさ」に対して、適切な知識と対処法を持つことが、治療を乗り越えるための鍵となります。

高市内閣の支持率動向:8月の世論調査で急落に歯止め

2026年8月、国内の主要メディア8社が実施した世論調査により、高市内閣の支持率に関する新たな動向が明らかになりました。調査結果は41.0%から62.5%の幅で支持率を示しており、7月に見られた全社的な支持率下落の傾向は一服しました。8月は4社で支持率が低下したものの、2社では上昇し、残りの2社では横ばいを維持するなど、全体としては急激な支持率低下の動きが和らいでいます。

内閣支持率は7月に前月比で10ポイント以上落ち込むケースも見られましたが、8月に入り、その変動幅は落ち着きを見せています。例えば、NHKの調査では5ポイントの下落にとどまりました。共同通信、読売新聞、時事通信の各調査では、高市政権発足以来の最低値を記録したものの、下落幅はそれぞれ3.5ポイント、1ポイント、0.6ポイントと小幅でした。これらの数字は、以前のような急激な支持率低下の勢いが衰えたことを示唆しています。また、毎日新聞と朝日新聞の調査では、前月と同じ最低値を維持しており、特に毎日新聞では2ヶ月連続で不支持率が支持率を上回る結果となりました。対照的に、日本経済新聞の調査では支持率が4ポイント上昇し62%に達し、産経新聞も0.9ポイントの上昇を記録しています。

8月の世論調査で注目された主要な論点の一つは、来年4月から2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げるという政府の決定と、それが財政に与える影響についてでした。NHKの調査では、消費減税の実施方針に対して49%が「賛成」と回答し、39%が「反対」と答えました。しかし、同時に財政への影響に関して「大いに」または「ある程度」懸念しているとの回答が合計で67%に上り、国民が減税の恩恵を享受しつつも、その財源確保に対する不安を抱いていることが浮き彫りになりました。共同通信や産経新聞の調査でも、減税自体への支持は高い一方で、政府が財源を明確に示していない点に対しては否定的な意見が多く見られました。支持率が最も大きく伸びた日本経済新聞の調査でも、消費税を財源とする社会保障制度への「不安」を感じていると答えた人は64%に上り、減税の影響に関する政府の説明が「不十分」だと考える人は76%に達しました。

時事通信の調査によると、高市内閣の支持率は48.4%でした。これは3ヶ月連続の低下であり、2025年11月と2026年2月に記録した高市政権の最高値63.8%と比較すると、15.4ポイント低い水準です。しかし、過去の岸田文雄政権末期から石破茂政権にかけて見られた10%台から20%台の支持率と比べると、依然として高い支持を維持していると言えます。

総合的に見ると、2026年8月の世論調査は、高市内閣の支持率が前月の急激な下落から一時的に持ち直したことを示しています。消費減税への一定の支持がある一方で、その財政的な影響や政府の説明不足に対する国民の懸念も明らかになりました。今後、政府はこれらの声にどのように応えていくかが問われることになります。

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驚異の隠し部屋:世界各地の秘密の空間とポートランド公爵の地下世界

人間は古くから、隠された場所や秘密の空間に抗しがたい魅力を感じてきました。その探求心は、時として英雄を生み出し、また悲劇を招くこともありました。財産を隠すため、あるいは理解しがたい動機によって造られたこれらの秘匿された場所は、今もなお人々を引きつけ続けています。今回翻訳された書籍『驚異の隠し部屋 世界各地の内緒の部屋・秘密の抜け道・迷宮・秘宝』は、そうした謎多き空間の数々を紹介し、読者を魅惑的な隠された世界の旅へと誘います。その中でも、特に異彩を放つのが、人里離れた地で自らの王国を築き上げたある公爵の物語です。

地下に広がる秘密の王国:第5代ポートランド公爵の壮大な隠遁生活

本書で最初に紹介されるのは、かつて修道院であったイングランドのウェルベック・アビーです。この歴史ある建物は、19世紀初頭には特筆すべき美しさはないと評されていましたが、第5代ポートランド公爵ウィリアム・ジョン・キャヴェンディッシュ=ベンティンク=スコットが相続して以来、劇的な変貌を遂げました。極端に内向的で神経質だった公爵は、34歳の時に経験した失恋が決定打となり、ロンドンの職を辞してウェルベック・アビーで隠遁生活を始めました。潤沢な財産を背景に、公爵はすぐさま「自分だけの王国」の建設に着手します。彼は多数の作業員を雇い入れ、屋敷の増築と並行して、広大な地下建築群の造成を開始しました。

この「地下世界」には、巨匠たちの絵画が飾られたギャラリー、壮麗な舞踏室、ビリヤード室、そして広大な図書室などが設けられ、これらは長大な地下通路で母屋と繋がっていました。各部屋は、天井のガラス板から差し込む自然光とガス灯の柔らかな光によって照らされ、蒸気暖房によって快適な温度が保たれていたと言います。極度の人嫌いであったにもかかわらず、舞踏室やビリヤード室が存在したことは、多くの憶測を呼びます。著者は、公爵がこれらの場所でただ一人、静かに踊り、ビリヤードを楽しんでいたのではないかと推察しています。

18年にも及ぶ「王国」の建設期間中、公爵は作業員や使用人とは交流があったようですが、晩年には召使い以外との接触を一切絶ち、孤独な日々を送りました。1879年、79歳でこの世を去った後、ほどなくして第6代ポートランド公爵がウェルベック・アビーを訪れた際、地上の屋敷は荒廃の一途を辿っていたと言います。先代の公爵が地下世界の建設に心血を注ぎすぎたあまり、地上の世界にはほとんど関心を払わなくなっていたことが伺えます。今日、その壮大な地下世界は、静かに自然へと還りつつあります。

この物語は、人間の内面に潜む複雑な心理と、それを具現化するための途方もない情熱が如何なる創造物を生み出すのかを私たちに教えてくれます。極度の孤独が、これほどまでに壮大な地下王国を築き上げる原動力となったことに、読者は深い感銘を受けることでしょう。隠された空間は、単なる物理的な場所ではなく、持ち主の思想や感情が凝縮された心の風景であり、その物語は私たち自身の内なる探求心を刺激するものです。

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