キャニオン、新世代グラベルレーサー「Grail」を発表 - 57mmタイヤ対応と進化した空力性能





キャニオンは、グラベルレーシングバイクの代表モデルである「Grail」を、最新技術とプロの声を結集した第3世代として完全に刷新しました。この新型Grailは、最大57mm(2.25インチ)という驚異的なタイヤクリアランスを実現し、同時に空気抵抗の徹底的な削減を追求。グラベルレースの未来を切り開く、まさに「究極のスピードマシン」へと進化を遂げました。初代の快適性、第2世代の空力と拡張性を受け継ぎつつ、さらに過酷なレース環境に対応できるよう、細部にわたる革新が施されています。
Canyon 新型Grail、グラベルレース界に新たな基準を打ち立てる
2018年に衝撃的なデビューを飾ったCanyonの「Grail」は、その独創的な「Hover Bar」でオフロード走行における快適性と操作性を飛躍的に向上させ、グラベルレースシーンを牽引してきました。続く第2世代では、空力性能の強化、フレーム内蔵ストレージ、そして独自の「Gear Groove」システムを導入し、数々の国際大会で輝かしい成績を収めています。そして今回、ベールを脱いだ第3世代Grailは、その系譜をさらに進化させ、グラベルレーサーの常識を塗り替える一台として登場しました。
最新のGrailの最も注目すべき革新は、フレームとフォークが最大57mm(2.25インチ)という驚異的なワイドタイヤクリアランスを確保した点です。これは、年々テクニカル化し、高速化するグラベルレースコースに対応するため、トッププロ選手からの切実な要望に応えた結果です。特に、2024年のアンバウンド・グラベル女子200マイルで優勝し、「The Traka 360」で圧倒的な勝利を収めたロサ・クローザーをはじめとする選手たちは、荒れた路面や泥濘地での圧倒的なアドバンテージを得るため、50mmをはるかに超えるタイヤクリアランスを求めていました。
この要望を実現するため、Canyonは思い切った決断を下しました。フロントダブル(2×)変速との互換性を完全に排除し、フロントシングル(1×)専用プラットフォームへと移行したのです。2×システムに必要なフロントディレイラー台座やインナーリングのスペースをなくすことで、タイヤクリアランスの限界を50mmから57mmへと大幅に拡大することが可能になりました。さらに、ドライブサイドのチェーンステーには、Canyon初となるソリッド(中実)構造を採用。これにより、カーボンの肉厚を維持しつつステーを薄型化し、十分なフレーム剛性と強度を保ちながら、タイヤ周辺の空間を最大限に広げることに成功しました。これにより、ISO規格が定めるクリアランス基準(各部4mm以上)を厳格にクリアし、泥詰まりのリスクも最小限に抑えられています。
また、現代のグラベルレースにおいて不可欠な要素である空力性能も徹底的に追求されました。新型Grailは、55mm幅のタイヤを装着した状態でも、前世代の40mmタイヤ装着時を上回る低ドラッグを実現。これにより、グラベルの高速区間でのスピード維持に大きく貢献します。コックピット調整システム「PACEテクノロジー」も進化し、ライダーはより最適なポジションで走行できるようになりました。標準装備されるオールラウンドな45mmタイヤに加え、レースの特性や路面状況に応じて最大57mmまでのタイヤを自由に選択できる柔軟性も、新型Grailの大きな魅力の一つです。
このCanyon新型Grailは、グラベルレースの過酷な要求に応え、勝利を目指すライダーにとって強力な武器となることでしょう。その革新的な設計と性能は、今後のグラベルレースシーンに新たな基準を打ち立てるに違いありません。
Canyonがグラベルレースの世界に投入した新型Grailは、単なる自転車の進化以上のものを示していると感じます。これは、プロアスリートの生の声に真摯に耳を傾け、既存の概念にとらわれずに技術的な障壁を打ち破るという、メーカーの揺るぎないコミットメントの証です。特に、フロントシングル化によるタイヤクリアランスの拡大は、リスクを恐れない革新的なアプローチであり、今後のグラベルバイクの設計思想に大きな影響を与える可能性があります。空力性能の向上とワイドタイヤの組み合わせは、一見すると矛盾するように思えますが、これはグラベルレースが多様化し、高速化している現代において、スピードと走破性の両立がいかに重要であるかを物語っています。この新型Grailは、ライダーに新たな選択肢と可能性を提供し、グラベルサイクリングの楽しみ方をさらに広げてくれることでしょう。