サリー・ポッター監督作『ザ・ゴールドディガーズ』:フェミニズム映画の傑作が日本初公開




著名なイギリス人監督サリー・ポッターの初期の代表作である『ザ・ゴールドディガーズ』(1983年)が、日本で初めて映画館で上映されることになりました。この映画は、ヴァージニア・ウルフの小説を映画化した『オルランド』や、自身も主演した『タンゴ・レッスン』などで知られるポッター監督の長編デビュー作であり、1980年代のフェミニズム映画における重要な作品として高く評価されています。物語は、ポッター監督自身の怒りに満ちた歌声と、雪景色の中を進む金採掘者の群れの描写から始まり、黒人女性セレステと白人映画女優ルビーの出会いを中心に展開します。ルビー役はトリュフォー作品『華氏451』などで知られるジュリー・クリスティが、セレステ役はコレット・ラフォンがそれぞれ演じています。
物語の核心では、銀行の単調なデータ入力業務に満足できないセレステが、数字の背後にある意味を探求しようとしますが、男性上司によってその試みを阻まれます。彼女はその後、美しくも無力な象徴として祭り上げられた女優ルビーと出会い、二人で富、記憶、欲望、そして肉体を巡る幻想的な旅に出ることになります。この二人の女性を追跡するのは、黒いスーツをまとった銀行員たちです。この作品は、従来の映画表現や男性優位の価値観に挑戦しようとした意欲作であり、サリー・ポッター、前衛ロックバンド「ヘンリー・カウ」のミュージシャンであるリンジー・クーパー、そしてパフォーマンスアートの先駆者ローズ・イングリッシュによる共同脚本で制作されました。シャンタル・アケルマン監督の『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り』の撮影も担当したバベット・マンゴルトが、荒野に佇む小屋での幼少期、華やかなダンスパーティー、白馬と森、そしてモノクロームの美しい闇を巧みに操り、二人の女性の夢のような旅を幻想的に描き出しています。『ザ・ゴールドディガーズ』は、『ナイトシフト』と共に8月22日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開され、その後全国各地で順次上映される予定です。
この映画は、既存の社会規範や芸術形式に疑問を投げかけることで、観る者に深い思索を促します。女性の視点から描かれる物語は、個人の内面的な探求と社会的な束縛からの解放を象徴しており、私たち自身の価値観を見つめ直す機会を提供してくれます。芸術を通じて新たな視点を発見し、自己と他者、そして世界との関係をより深く理解することの重要性を、この作品は静かに語りかけているのです。