中野の老舗立ち食いそば「田舎そば かさい」:50年愛される理由




地元で愛され続ける、温かいそばの物語
長年の愛顧と温かい人情:変わらぬ味と心遣い
私が50年もの間、最低でも月に一度は足を運ぶ飲食店があります。これは、常に新しい店を食べ歩くという私の仕事の性質上、他に類を見ないことです。しかし、朝の時間帯であれば、この店を訪れることが可能です。以前は「いとう屋」という名前で親しまれており、女将さんと顔見知りになると、他にお客さんがいない時には、黙ってきつねを2枚サービスしてくれるような温かい心遣いがありました。
常連客を惹きつける9つの魅力:こだわりの一杯
この店に私が通い続ける理由は、大きく分けて9つあります。まず、中野在住の私にとって最寄りの駅にあり、交通の便が良いことです。立ち食いそばを選ぶ上で、この利便性は最も重要な条件の一つです。次に、おろし生姜が自由に使える点です。立ち食いそばのつゆは一般的に濃厚なことが多いので、生姜を加えることで後味がさっぱりとし、特に天ぷらとの相性は抜群です。夏には冷やしそばやうどんにも最適です。三つ目は、しっかりとした中太麺であること。頼りなく感じる立ち食い麺が多い中で、この存在感のある麺は格別です。「田舎そば」と名乗る所以もここにあるのかもしれません。以前は幅が不揃いで、それがまた一層の魅力を引き出していました。四つ目に、質の良いワカメです。厚みがあり、使うたびに冷蔵庫から出し入れするなど、ワカメへの深いこだわりと愛情を感じます。五つ目として、小盛りが選べること。麺の量が2/3になるので、二日酔いの時などには最適です。六つ目は、具材を追加するごとに10円割引になるシステムです。例えば、天玉ワカメきつねのように4種類の具材を組み合わせると30円もお得になります。七つ目には、きめ細やかなサービスが挙げられます。席に着くとすぐに水が運ばれ、セルフサービスではありません。水がなくなるとすぐに気づいて補充してくれます。さらに、「汁をもう少し多めに」とか「たぬきは上からかけてほしい」といった個別の要望にも快く応じてくれます。八つ目は、単なる天かすではない、野菜や小エビの入った「たぬき」です。食べ応えがあり、冷やしたぬきを頼むと、一度小鉢にとって少量の汁で吸わせてからそばに乗せるという、味を馴染ませる工夫がされています。そして最後に、夏の冷やしそばが、濃い汁を上からかける「ぶっかけ」ではなく、「冷かけ」、つまり冷たいかけそばであること。これらの理由から、私はこの店についつい足が向いてしまうのです。特におすすめは、「たぬきわかめそば」です。