古着界の重要人物、十倍直昭氏が語るヴィンテージロレックスの魅力






VCM CEOの十倍直昭氏は、長年にわたり古着とヴィンテージアイテムの魅力に深く触れてきました。特にリーバイス「501」の細かな仕様の違いに気づいてからは、その探求心は止まらず、次第にヴィンテージロレックスの世界へと引き込まれていきました。彼は、時計を単なる時間を示す道具としてではなく、自身のファッションスタイルを完成させる重要な要素として捉えています。新品よりもヴィンテージを選び、その歴史や細部の変化にこそ真の価値を見出しているのです。ダイヤルや針、ケースといった各パーツの年代ごとの違いを見つけ出すことに喜びを感じ、その過程はまるで歴史を紐解くかのようだと語ります。エルメスのヴィンテージジュエリーにも同様の魅力を感じており、完成されたデザインの中に宿るわずかな変化が、彼を「まだこんな発見があったのか」という感動へと導きます。
ヴィンテージアイテムへの情熱:ディテールに宿る美学
十倍直昭氏がヴィンテージアイテム、特にリーバイスの古着とヴィンテージロレックスに共通して見出す魅力は、その年代ごとの細部にわたる「違い」にあります。10代の頃から「501」を愛用してきた彼は、同じモデルであっても製造年代によって異なる耳(セルビッジ)の仕様、ステッチ、そしてシルエットの微妙な変化に気づき、一度その奥深さに触れると、もう新品には戻れないと感じたと言います。この細部へのこだわりこそが、彼がヴィンテージロレックスへと導かれた原点です。
十倍氏は、ロレックスの「デイトナ」や「デイトジャスト」といった人気モデルを選ぶ際も、単にモデル名だけで判断するのではなく、「この年代の、この一本」という特定の理由と、まだ見ぬディテールを追求しています。彼は「6263ですね」とモデル名で終わらせるのではなく、「このプッシャーの質感が良い」「この焼け付いたダイヤルが素晴らしい」といった、より深い部分に美しさを見出します。エルメスのヴィンテージジュエリーにも同じ感覚を抱いており、中心となる完成されたデザインは変わらなくても、その周辺の枝葉が時代と共に少しずつ変化していく様に魅了されています。この「違い探し」の楽しさは尽きることがなく、彼にとってヴィンテージの世界は、常に新しい発見と感動をもたらす終わりのない探求の場なのです。
新品よりもヴィンテージ:スタイルを貫く哲学
十倍直昭氏は、現行のロレックスを一度も購入したことがないという、意外な事実を明かしています。彼は、古着やヴィンテージジュエリーを長年愛用してきた自身のライフスタイルにおいて、時計だけ新品を選ぶという選択肢はほとんどなかったと語ります。彼にとって、服、ジュエリー、そして時計は、それぞれ独立したアイテムではなく、全体として一つの「スタイル」を構成する要素です。そのため、自身の確立されたヴィンテージスタイルに自然と馴染む一本を探した結果、ヴィンテージロレックスに行き着いたのは必然だったと言えるでしょう。
この哲学は、彼が選んだ時計のラインナップにも明確に表れています。1970年代の手巻き「デイトナ」2本をはじめ、90年代の「デイトナ」、そして60年代の金無垢「デイトジャスト」など、彼が厳選するロレックスは、いずれも年代ごとの特徴が色濃く反映された名作ばかりです。これらの時計は、単なるコレクターズアイテムとしてではなく、長年愛用するエルメスのヴィンテージジュエリーや、ポロラルフローレンのヴィンテージシャツといった他のアイテムと組み合わせることで、十倍氏ならではの独自の美意識が表現されています。彼の「違い探し」は、単なる希少性の追求に留まらず、自身のスタイルをより豊かにする上で不可欠な要素であり、その探求心は「まだ見たことのない時計、まだ気づいていないディテール」への尽きない情熱へと繋がっています。