家族で楽しむアウトドアライフ:山道具の収納と「壊れるまで使う」哲学






『ランドネ』編集部員の山﨑さんが、家族との豊かなアウトドアライフを支える山道具の収納術と、道具への深い愛情に基づく「壊れるまで使う」という哲学を披露しました。梅雨に入り、アウトドアの予定が立てにくい時期だからこそ、自身のギアを見つめ直し、その価値を再発見する良い機会となりそうです。山﨑さんの考え方は、単なる収納術に留まらず、消費社会における道具との向き合い方について、新たな視点を提供しています。
家族のアウトドアを支える山道具の賢い収納術と、道具へのユニークな哲学
6月に入り、梅雨の気配が深まる中、アウトドア愛好家たちは山の計画を立てるのが難しいと感じているかもしれません。そんな時こそ、自身の山道具を見直し、その収納方法や道具との向き合い方について考える絶好の機会です。今回、『ランドネ』編集部の山﨑理恵さんが、家族4人のアウトドアライフを豊かにする山道具の収納術と、彼女独自の「壊れるまで使う」という哲学について語ってくれました。
山﨑さんは、長年のサイクリング専門誌での経験を経て、2022年に『ランドネ』編集部へ。登山歴と編集部歴がほぼ同じというユニークな経歴を持つ彼女は、キャンプ場を拠点に山や川でのアクティビティを心から楽しんでいます。
家族でバイク、自転車、登山、キャンプと多様なアウトドアを楽しむ山﨑家では、道具が多岐にわたるため、収納が大きな課題でした。以前マンションに住んでいた頃は、自転車11台、オートバイ3台、車1台という状況で、駐車費用を考慮し一戸建てへの引っ越しを決意。当初は道具を一部屋にまとめていましたが、お子さんの誕生を機に、生活空間を確保するため、屋外に収納スペースをDIYで設けたそうです。夫のバイク用品と家族共有の自転車、キャンプ道具を効率的に収納する小屋は、彼女の工夫の結晶です。
日常使いのアイテムは、生活動線に沿って配置されています。帽子やアウターは玄関に、シュラフはクローゼットに収納し、来客用の寝具としても活用。リビングの引き出しには手ぬぐいが常備され、家族全員が毎日のハンカチとして愛用しています。特にお気に入りの屋久島で購入した手ぬぐいは、お子さんたちが持ち出してしまうため、なかなか自分の手元に戻ってこないという微笑ましいエピソードも披露されました。バックパックやシューズも家族で共有し、限られた資源を最大限に活用しています。
山﨑さんの道具に対する姿勢は、「山道具は壊れるまで使う」という言葉に集約されます。この言葉の背景には、単なる愛着だけでなく、モノの構造や耐久性に対する深い好奇心があります。大学でデザインを学んだ経験から、彼女は道具がどのようにして壊れていくのか、その過程を観察することに大きな価値を見出しています。「どこからどうやって壊れていくのかを知ることで、ものづくりに対するブランドの思想が見えてくる。それが次の買い物の参考になる」と語ります。
バックパックやシューズは限界まで使い込み、メリノウールのTシャツや靴下など、自分で修理可能なものは手間を惜しまずに直して使い続けています。お気に入りのヤクの靴下がワンシーズンで穴が開いた際には、使わなくなったニット帽の毛糸を再利用し、フェルトパンチャーで器用に修復しました。このように、道具が増えがちな環境においても、家族でシェアし、修理しながら長く使い続ける山﨑さんのライフスタイルは、持続可能な消費のあり方を示唆しています。
山﨑さんの「壊れるところを観察したい」という、道具とのユニークな向き合い方は、現代の大量生産・大量消費社会において、モノの価値を再考させられる新鮮な視点を与えてくれます。私たちも、身の回りの道具に対し、より深く、そして長く付き合うことの喜びを見出してみてはいかがでしょうか。