幻の駅弁!小湊鐵道で味わう旅情

歴史と自然が息づく、小湊鐵道の旅
小湊鐵道の魅力と「幻の駅弁」
千葉県市原市から大多喜町を結ぶ小湊鐵道は、総距離39.1kmのローカル線です。JR京葉線、総武快速線、内房線を乗り継ぎ、五井駅で小湊鐵道に乗り換えれば、約1時間で房総半島の豊かな自然に包まれます。沿線には「チバニアン」や養老渓谷といった名所が点在し、週末や祝日には蒸気機関車を模した「房総里山トロッコ」号が運行され、観光客を楽しませています。
この旅の大きな魅力の一つが、里見駅で販売されている「焼き豚弁当」です。1300円(税込み、お茶付き)で提供されるこの駅弁は、販売日が限定され、数量も限られているため「幻の駅弁」と呼ばれています。予約優先販売のため、駅に直接行っても購入できないことも珍しくありません。この入手困難さが、旅人の探求心をさらに掻き立てるのです。この記事では、この特別な駅弁を求めて、ローカル線に揺られる旅の模様をお届けします。
※現在、小湊鐵道では一部列車の運休や代行バス輸送が行われています。トロッコ列車も一部区間で運行を見合わせていますが、2026年7月18日からは一部区間で再開予定です。最新の運行状況については、事前にご確認いただくことをお勧めします。
大正時代からの歩み:小湊鐵道の歴史
小湊鐵道の歴史は、今から101年前の大正14年に遡ります。その起源は、1913年(大正2年)に地元有志によって計画された、JR内房線の五井駅からJR外房線の安房小湊駅を結ぶ壮大な路線構想にあります。まず、1925年(大正14年)に五井駅から里見駅までの区間が開業。翌年には、地質年代「チバニアン」で知られる月崎駅まで路線が延伸され、1928年(昭和3年)には現在の終点である上総中野駅まで開通しました。その後も安房小湊駅への延伸工事が進められましたが、当時の金融恐慌の影響を受け、工事は中断。計画はそのまま立ち消えとなってしまいました。社名に残る「小湊」は、この未完の延伸計画の名残です。
また、上総中野駅では、かつて国鉄木原線(現在のいすみ鉄道)が接続していました。この路線も、上総中野駅からJR久留里線の上総亀山駅まで延伸し、木更津駅と繋ぐ計画があったとされています。これら二つの路線構想がもし実現していれば、房総半島を「X」字型に縦断する広大な鉄道路線が完成していたことでしょう。
小湊鐵道は、その豊かな歴史と未完の夢を乗せて、今日も房総の里山を走り続けています。