JALは地域活性化への継続的な貢献として、「JALふるさとプロジェクト」を展開しています。この取り組みの一環として、2020年8月には客室乗務員が地域に移住し活動を推進する「JALふるさとアンバサダー」を、同年12月には乗務と並行して地域活性化に携わる「JALふるさと応援隊」を発足させました。これにより、客室乗務員が培った知識や経験を活かし、出身地やゆかりのある地域の特産品開発や地域課題の解決に寄与することを目指しています。
奄美群島を担当するJALふるさとアンバサダーの吉福瑠璃子さんは、動物保護に力を入れています。彼女が携わった「奄美の生き物お楽しみチャーム」という機内販売商品は、日本エアコミューター(JAC)によって販売され、その収益の一部は大和村のアマミノクロウサギミュージアムQuru Guruへ寄付されました。このチャームは、アマミノクロウサギやルリカケスといった奄美固有の希少な生物をモチーフにしており、大島紬の装飾が施されています。
この活動は、奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島が世界自然遺産登録5周年を迎えることを記念し、「地域の魅力を伝えるだけでなく、自然保護にも繋がる活動にしたい」という強い願いから生まれました。販売によって得られた資金は、奄美の野生動物保護活動に役立てられています。
このプロジェクトは、地域に深く根差した活動を行うJALふるさとアンバサダーとしての吉福さんの知識と経験に基づき、企画・考案されました。自然保護と地域振興の両立を目指し、吉福さんは現地の魅力を最大限に引き出し、形にするために、紬レザーかすりの川畑氏と協力して取り組みを進めてきました。この商品の提供を通じて、希少動物への関心を喚起し、彼らを守るために存在するさまざまな課題を人々に知ってもらうことが、この取り組みの重要な目的とされています。
アマミノクロウサギミュージアムQuru Guruは、奄美大島・大和村に位置する、アマミノクロウサギの保護研究施設です。この施設では、交通事故などで負傷したクロウサギの治療やリハビリテーションを行い、野生への復帰を支援する活動のほか、その生態研究や環境教育にも力を入れています。館内には体験型の展示があり、「くるぐるひろば」では映像や音声を通じてクロウサギの生態と人間との関係の歴史を学び、「くるぐるの森」では奄美の夜の森を再現した空間で希少動物たちを探索できます。また、屋外飼育場「ひるにわ」ではクロウサギの巣穴をカメラで観察でき、世界的にも希少なルリカケスの飼育展示も行われています。さらに、昼夜逆転環境下の屋内飼育場「よるにわ」では、夜行性のアマミノクロウサギの活発な姿を間近で見ることができ、リュウキュウコノハズクの姿も楽しめます。「くるぐるの道」では、アマミノクロウサギを取り巻く現状や自然共生について考える展示があり、研究室をガラス越しに見ることも可能です。
吉福さんは、奄美に移住して初めて「ロードキル(野生動物の交通事故)」という言葉を知り、アマミノクロウサギが夜行性で黒い体をしているため、夜間の交通事故に遭いやすいことを認識しました。現在、行政、研究機関、地域が連携し、運転手への注意喚起、道路構造の改善による物理的な減速策、最新技術を活用した実証実験など、多角的な保護活動が進められています。ミュージアムショップでは、アマミノクロウサギをモチーフにしたぬいぐるみや文具などのオリジナル商品が販売されており、これらの収益はクロウサギの治療や施設の運営に充てられ、普及啓発にも貢献しています。カフェ・ムンバカディでは、奄美ならではの飲み物を味わいながら、豊かな自然の中でゆったりとした時間を過ごすことができます。
吉福さんから旅行者へのメッセージとして、奄美大島は美しい海だけでなく、世界自然遺産に登録された貴重な自然と固有の生物が息づく島であると語られました。Quru Guruを訪れることで、アマミノクロウサギの生態や、奄美の自然と人間との共存について、老若男女問わず楽しく学ぶことができ、自然を守ることの重要性を身近に感じられる場所であると強調しました。また、夜間の運転時には野生動物が道路に出てくることがあるため、安全運転を心がけ、奄美の自然と生き物たちとの出会いを存分に楽しんでほしいと呼びかけています。