ぐるめぶんか

盛岡の美食巡り:じゃじゃ麺から冷麺まで、三大麺のルーツを辿る旅

夏の甲子園が終盤を迎える中、大谷翔平選手の母校、花巻東高校の健闘を称えつつ、今回は大谷選手の故郷である岩手県シリーズの最終章として、ニューヨーク・タイムズで「2023年に行くべき世界の52カ所」第2位に選ばれた盛岡市に焦点を当てます。盛岡三大麺のルーツとなった名店を巡り、その魅力を深掘りするとともに、大谷選手ゆかりのパン屋もご紹介。盛岡の奥深い食文化をぜひご堪能ください。

盛岡の味覚、発見の旅:三大麺と隠れた名店を巡る食の冒険

「白龍」じゃじゃ麺:秘伝の味噌が織りなす絶妙なハーモニー

盛岡を代表するご当地グルメと言えば、誰もが知る「盛岡三大麺」です。この中でも、特にその起源と独自性が際立つ「じゃじゃ麺」の元祖、「白龍本店」を訪ねます。市内の中心部に位置する盛岡城跡公園内、櫻山神社の参道沿いに佇むこの店は、約60年前に中国・満州の「炸醤麺」を基に考案された、まさにじゃじゃ麺発祥の地です。モチモチとした平打ち麺に、ひき肉やゴマ、しいたけなど十数種類の材料を炒めて熟成させた秘伝の味噌が絡み合う、その深い味わいは、訪れる人々を魅了し続けています。

進化する本格焼酎と美食のマリアージュ:学芸大学「つきかげ」で堪能する地鶏と焼酎の世界

近年、ソーダ割りの普及により本格焼酎の人気が飛躍的に高まっています。その華やかな香りと軽快な飲み口は、日本の伝統的な料理に新たな魅力を加え、時には革新的な組み合わせを生み出す可能性を秘めています。特に、焼酎の奥深い世界を探求し、食材との完璧な調和を追求する店舗では、その進化が顕著に現れています。学芸大学にある「つきかげ」は、店主の情熱と独自の視点によって厳選された本格焼酎と地鶏料理の組み合わせで、多くの食通を魅了しています。ここでは、素材の持ち味を最大限に引き出した料理と、それぞれの焼酎が持つ個性豊かな香りが織りなすハーモニーを体験でき、本格焼酎の新たな可能性を存分に感じることができます。

本格焼酎の魅力と「つきかげ」のこだわり

本格焼酎は、麦、芋、米をはじめとする多種多様な原料を麹と水で発酵させ、単式蒸留機で一度だけ蒸留することで製造されます。この単式蒸留によって、原料が持つ本来の香りや風味が凝縮され、焼酎の個性として色濃く残るのが大きな特徴です。近年では、ソーダ割り専用にブレンドされた商品も増え、より幅広い層に受け入れられるようになりました。学芸大学の「つきかげ」の店主である高野裕貴氏は、「宮ヶ浜ALOMA」の紅茶のような香りの焼酎に感銘を受け、本格焼酎の世界に深く傾倒しました。彼は、焼酎と相性の良い地鶏として、鹿児島県のきさ輝地鶏を厳選。この地鶏は、通常の地鶏とは異なり柔らかい食感と上品な脂が特徴で、高野氏の期待を大きく上回るものでした。

高野氏は、週に4羽のきさ輝地鶏を仕入れ、レバーや砂肝、さらにはガラに至るまで、すべての部位を余すことなく活用しています。特に、特選地鶏のたたきは、噛むほどに深い旨みが広がり、香ばしく焼かれた皮目とのコントラストが絶妙です。この繊細な味わいには、「江戸酎」の優雅な果実味と熟成によるまろやかさが寄り添い、見事な調和を生み出しています。また、肉料理の合間には、旬の野菜をふんだんに使った前菜盛り合わせが提供され、そのシャキシャキとした食感と爽やかな酸味が、「流流」の持つフルーティーで華やかな香りの焼酎と完璧にマッチします。高野氏との気さくな会話もまた、この店で焼酎と料理を楽しむ醍醐味の一つであり、訪れる人々は彼との交流を通じて、焼酎の知識を深め、自身の好みに合った一杯と料理の組み合わせを見つけることができます。

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平和島に息づく110年の伝統:うなぎ名店「炭火うなぎ はせ川」の極上うな重

東京・平和島に位置する歴史ある「炭火うなぎ はせ川」が、食通を唸らせる雑誌『おとなの週末』によって深く掘り下げられました。110年という長きにわたり受け継がれてきたこの名店は、「お客様の心を第一に、日々の作業を丹念にこなす」という揺るぎない理念を掲げています。ここでは、選りすぐりの新鮮な活鰻を、熟練の職人が素早く背開きにし、丁寧に炭火で焼き上げています。三代目店主である長谷川充氏をはじめ、ベテランから若手までの職人たちが一丸となって、一本のうな重に心を込めることで、その並外れた美味しさが生まれているのです。特に「特上うな重」は、ふっくらとした身の厚みと美しい盛り付けが特徴で、まさに110年の歴史が織りなす至高の味わいを堪能できます。

平和島の老舗「炭火うなぎ はせ川」が紡ぐ伝統と情熱

東京都大田区大森西に位置する「炭火うなぎ はせ川」は、京急本線平和島駅から徒歩5分の場所にあります。創業から110年、この老舗は三代にわたり「お客様の気持ちになり、当たり前の仕事を丁寧に」という経営哲学を貫いてきました。三代目店主の長谷川充さんは、毎日同じ作業の繰り返しであっても、お客様にとって目の前のうな重が特別な一品であることを常に意識し、盛り付けの細部にまで心を配ることを怠りません。活鰻は長年の信頼関係を築いた問屋から仕入れ、店内の生け簀で活かしており、提供直前に職人たちが華麗な包丁さばきでわずか数十秒で背開きにします。この「早裂き」は熟練の技でありながらも、決して焦らず「当たり前の仕事を丁寧に」という信念のもと、一尾一尾に真摯に向き合います。厨房では長谷川さんをはじめとする数名の職人たちが、「バトンリレーのようにそれぞれの丁寧な仕事が繋がり、最終的な美味しさが生まれる」という共通認識のもと、日々精進しています。こうして手間暇かけて作り上げられる「特上うな重」(5500円、先付・きも吸・お新香付き)は、そのふっくらとした肉厚な身と繊細な味わいで、多くの客を魅了しています。営業時間は11時半から14時、17時から21時(ラストオーダーは20時半)で、水曜日が定休日です。繁忙期には一日200食以上のうな重が提供されることもあり、その人気の高さがうかがえます。また、輪島塗のお重を使用しており、これは震災で被害を受けた業者を支援するという店の心温まる取り組みでもあります。

この老舗のうなぎ料理は、単なる食事を超え、日本の伝統文化と職人技が織りなす芸術作品だと感じさせます。110年という途方もない時間を超えて受け継がれてきた「お客様第一」の精神と、細部までこだわり抜く丁寧な仕事ぶりは、現代社会において忘れ去られがちな「本物」の価値を私たちに教えてくれます。特に、震災で被災した輪島塗の業者を支援する姿勢は、単なる商売を超えた人情と社会貢献の精神が息づいていることを示しており、その深い心遣いに感銘を受けました。単に美味しいだけでなく、その背景にある物語や人々の思いを感じながら味わううな重は、きっと格別な体験となるでしょう。

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