神戸・芦屋の隠れた名店「アムアムホウ」を巡る美食の旅:シャルキュトリー職人・楠田裕彦氏が絶賛する技術と探求心

地元の人々に長く愛される店こそ、真の名店であるという信念のもと、dancyu2026年春号では、芦屋の「メツゲライクスダ」店主、楠田裕彦氏に地元神戸と職場である芦屋周辺の珠玉の店々を案内していただきました。その中でも特に楠田氏が絶賛し、足繁く通う一軒が、神戸・六甲道に佇む「アムアムホウ」です。この店は、香港で培われた点心の妙技と、奥深い四川料理のスパイス使いが見事に融合した、他に類を見ない美食の宝庫として知られています。店主の松本明氏は、四川省と香港で研鑽を積んだ後も、常に現地を訪れて研究を重ねる探求心旺盛な料理人であり、2008年の開業以来、調味料の多くを自家製で仕込み、点心はすべて手包みという徹底ぶり。一人で厨房を切り盛りしているとは思えないほど、細部にわたる膨大な作業をこなし、料理への情熱と技術を惜しみなく注ぎ込んでいます。楠田氏が「アムアムホウ」に魅了される理由は、単に料理の美味しさだけでなく、松本氏の卓越した技術力、尽きることのない探求心、そして一皿一皿に宿る美意識のすべてにあると言えるでしょう。まさに、料理人が料理人に心から敬意を払う、そんな稀有な店がここにあります。
神戸・六甲道の隠れた名店「アムアムホウ」:シャルキュトリー職人をも唸らせる点心と四川料理の妙技
神戸市灘区深田町に位置する「アムアムホウ」は、JR六甲道駅から徒歩わずか3分の場所にあり、夜は18:00から20:30(ラストオーダー)、土日祝には11:30から13:30(ラストオーダー)のランチ営業も行っています。火曜日と月に2回の不定休を除き、常にその扉を開き、訪れる人々を魅了しています。この店の店主、松本明氏は、香港で点心の技を習得し、四川料理のスパイス使いに深く傾倒。開業後も継続的に現地を訪れ、その知識と技術を磨き続けています。2008年の創業以来、彼は調味料の大部分を自家製で用意し、点心は一つ一つ丁寧に手包みするという徹底したこだわりを見せています。厨房を一人で切り盛りしながらも、これほど緻密で膨大な作業をこなし、品質への妥協を一切許さないその姿勢は、まさに職人の鑑と言えるでしょう。
「メツゲライクスダ」の楠田裕彦氏は、長年にわたりこの「アムアムホウ」に通い続けており、その料理に対する深い洞察力に感嘆しています。特に、店の顔とも言える「点心三種盛り」の中でも、豚肉と芽菜を包んだ愛らしい仔豚の点心は、その見た目からは想像できないほどの深い味わいを秘めています。楠田氏は、豚肉の挽き方一つにも、自身がシャルキュトリー(食肉加工品)の職人として持つ発想とは異なる、松本氏ならではの創意工夫が凝らされていることに大きな刺激を受けています。また、楠田氏が特に注目するのは、四川料理における香辛料の巧みな使用法です。例えば、店のもう一つの名物である牛肉麺は、牛バラ肉から丁寧に抽出された深いコクと芳醇な脂の風味に、麻辣の鮮烈な香りと刺激が幾重にも重なり合い、力強さと繊細さが絶妙なバランスで共存する一皿です。楠田氏は、このヨーロッパにはない独特のスパイスの際立たせ方に、毎回新たな発見と感動を覚えると言います。仕事帰りにふらりと立ち寄ることも少なくないという楠田氏にとって、「アムアムホウ」は単なる食事処ではなく、自身の料理人としての感性を刺激し、新たな活力を与えてくれる特別な場所なのです。料理の味、卓越した技術、飽くなき探求心、そして一皿に込められた美意識。これらすべてが「アムアムホウ」には満ち溢れており、美食を愛するすべての人々に訪れてほしい隠れた名店と言えるでしょう。
「アムアムホウ」での食体験は、私たちに食の奥深さと、料理人の情熱が織りなす芸術を改めて教えてくれます。松本氏のような探求心と、妥協を許さない職人技は、単なる食材の組み合わせを超え、食べる人々の心に深く響く感動を生み出します。楠田氏が語るように、優れた料理は、他の分野のプロフェッショナルにとってもインスピレーションの源となるのです。この店を訪れることは、単に美味しいものを味わうだけでなく、食文化の真髄に触れ、日々の生活に新たな発見と活力を与えてくれる貴重な体験となるでしょう。私たちは、このような真摯なものづくりにこそ、惜しみない拍手を送るべきだと感じます。