美食で巡る阪神間:宝塚の鶏料理と競馬の魅力

サッカーワールドカップが盛り上がりを見せる中、日本におけるサッカー発祥の地とされる神戸市にちなんだ「神戸・兵庫シリーズ」がいよいよ最終回を迎えます。本企画では、筆者が深い愛着を持つ阪神間の名店をご紹介。長年居住した尼崎や西宮の珠玉の店舗に加え、競馬観戦で度々訪れる宝塚の隠れた名店を、その地の象徴的な風景と共に紐解きます。今回の焦点は、宝塚市に位置する「鳥居」という鶏料理専門店。ここでは、競馬と美食が織りなす至福のひとときを体験できます。
宝塚「鳥居」が誇る絶品鶏料理とその魅力
兵庫県宝塚市は、華やかな宝塚歌劇団と、競馬ファンにはおなじみのJRA阪神競馬場があることで知られています。阪急仁川駅の目の前に店を構える「鳥居」は、かつて大阪で勤務していた頃、先輩に連れられて訪れた思い出の場所です。競馬観戦で仁川駅に降り立つと、まるで条件反射のように自然とこの店の暖簾をくぐるほどの魅力があります。どの料理も素晴らしいですが、特に看板メニューは「ねっく」(鶏の首肉)です。その「やわらかジューシー」というメニュー表記に偽りなく、一口食べれば誰もがその美味しさに感動することでしょう。甘辛いタレと塩、どちらの味付けも肉にしっかり染み込んでおり、筆者も昔と変わらない味を堪能しました。店内には競馬中継が流れ、至福の時間を過ごせます。
「鳥居」の「ねっく」は、その名の通り柔らかくジューシーな食感が特徴で、甘辛い特製タレと、鶏肉本来の旨みを引き出すシンプルな塩味のどちらも捨てがたい逸品です。筆者は初めて訪れた三十年前と変わらぬ味わいに感動し、今回もタレと塩を二本ずつ注文し、その変わらぬ美味しさを堪能しました。また、見た目も美しい「たまひも」は、産卵前の鶏の卵黄と卵管・卵巣をつなぐ希少部位で、濃厚な味わいが特製タレと見事に調和します。さらに、隠れた人気メニューの「湯豆腐」は、豆腐好きにはたまらない一品です。薄味の出汁で丁寧に煮込まれた豆腐と野菜は、心温まる優しい味わいを生み出し、これもまた筆者と先輩が毎回注文していた「ハットトリック」と称される三品セットの一部です。阪神競馬場では毎年6月に「宝塚記念」が開催され、今年は武豊騎手騎乗のメイショウタバルが連覇を飾りました。来年はぜひ現地で競馬を観戦し、再び「鳥居」の美食を味わいたいと願っています。