舘ひろし、俳優人生と運命の出会いを語る:ダンディズムの源流

長年にわたりエンターテイメント界を牽引し、ダンディズムとセクシーな魅力を放ち続ける俳優、舘ひろしさんが、その半生と人生観を明かしました。最新映画『免許返納!?』では、70歳のアクションスターを熱演。本稿では、若さの秘訣や映画制作の裏側に加えて、彼の人生を彩った運命的な出会い、特に俳優としての大きな転機となった渡哲也さんとの出会いについて、その深淵に迫ります。舘さんの言葉からは、彼がいかにして現在の地位を築き上げ、また、人間としての魅力を磨き上げてきたのかが垣間見えます。
舘さんは、1950年に愛知県で生を受け、1975年にロックバンド「クールス」のボーカリストとしてキャリアをスタートさせました。翌年には俳優としての活動も開始し、『西部警察』や『あぶない刑事』といった数々の刑事ドラマで一躍スターダムにのし上がります。特に印象的なのは、2018年の主演映画『終わった人』での第42回モントリオール世界映画祭「最優秀男優賞」受賞という栄誉です。彼の最新主演作『免許返納!?』では、70歳のベテランアクションスター、南条弘を演じています。南条が大切にする真紅のフェラーリは、彼自身の人生を象徴する存在であり、舘さん自身も映画のキャラクターに深い共感を抱いています。
作中で南条弘がフェラーリに注ぐ愛情について尋ねられた際、舘さんは自身には特定の物への執着はあまりないと語りました。しかし、若かりし頃は異なり、20代の頃には母親に嘘をついて手に入れたオートバイへの特別な思い入れがあったことを振り返ります。車に関しては、モルガンやトヨタ2000GTのようなクラシックカーを好む一方で、『免許返納!?』においては南条の愛車が赤いフェラーリ『328GTS』であることにこだわりを見せました。この赤いフェラーリが持つ圧倒的な存在感と分かりやすさが、映画の中で重要な「役者」として機能したと述べています。
南条弘の人生においてフェラーリが特別な意味を持つように、舘さん自身の人生においても、忘れられない出会いがありました。それは、俳優・渡哲也さんとの運命的な遭遇です。1979年10月、29歳だった舘さんは、テレビドラマシリーズ『西部警察』の記者発表を前に、渡さんから面会の連絡を受けます。待ち合わせの喫茶店に10分早く到着したにもかかわらず、既に渡さんが席に着いており、舘さんの姿を認めると立ち上がって「渡です」と手を差し出してくれたその瞬間は、彼にとって生涯忘れられないものとなりました。それまで数多くの著名人と会ってきた舘さんですが、渡さんの佇まいや存在感は全く異なり、人間としてのあり方を問い直されるような心地よい緊張感を覚えたと言います。渡さんの礼儀正しさと人間性は、現在も舘さんの目標であり続けています。
このインタビューを通して、舘ひろしさんの魅力が単に外見的なものだけでなく、内面から滲み出る人間性、そして彼が出会ってきた人々からの影響によって形成されていることが明らかになりました。特に渡哲也さんとの出会いは、彼の俳優人生のみならず、人間としての成長に多大な影響を与え、その後のキャリアを決定づける重要な転機であったと言えるでしょう。彼の作品への情熱と、人とのつながりを大切にする姿勢が、今日の彼を作り上げています。