良質な睡眠のための新常識:多忙なリーダーへの専門家からの助言

かつての「睡眠量を多く取ることが最善」という考え方は、現代の科学的知見によって更新されつつあります。睡眠研究は日々進化しており、従来の常識では見過ごされてきた新たな事実が明らかになっています。TENTIALのコンディショニング研究所で、トップアスリートの睡眠を支援する藤田樹里氏が、特に多忙なビジネスリーダーが知っておくべき「睡眠の新常識」について、その詳細を語りました。
専門家が語る、最新の睡眠科学とその実践
「BAKUNE」リカバリーウェアシリーズで知られるTENTIAL社は、単なる製品販売企業に留まらず、科学と実践の両面から「コンディショニング」を追求しています。この「コンディショニング」とは、睡眠、食事、運動といった日々の生活習慣を最適化し、個人が本来持つ能力を最大限に引き出す状態を指します。その中心を担うのが、社内に設置された「コンディショニング研究所」です。この研究所は、臨床試験や学術機関との共同研究を通じて、科学的根拠に基づいた製品開発やプログラムの提供に取り組んでいます。また、アスリート、一般生活者、企業、自治体を対象としたコンディショニングセミナーも積極的に実施し、その知識を社会に広めています。研究所の立ち上げメンバーであり、現在サポートプログラム開発に携わる藤田樹里氏は、自身の不眠経験とアスリート支援で得た洞察から、この研究所を設立しました。上級睡眠健康指導士やスリーププランナーの資格を持つ彼女は、科学的データと現場の経験を融合させながら、アスリートやビジネスパーソンの睡眠問題に日々向き合っています。藤田氏によれば、多くの人が抱く「睡眠は量より質」という疑問に対し、彼女は「必要な睡眠量を確保した上で、質を高めることが重要」と強調します。理想的な睡眠時間については個人差が大きく、遺伝的要因や環境的要因によって異なるため、一概に「何時間寝るべき」とは言えないと指摘しています。かつては「日本人の睡眠時間は短すぎるから長く寝るべき」という風潮がありましたが、現在重視されているのは「睡眠休養感」という主観的な感覚です。朝目覚めたときに、どれだけ体が休まったと感じるか、という個人の感覚が非常に重要視されています。客観的な睡眠時間やスコアといったデータももちろん大切ですが、それと同時に自身の感覚も尊重し、両者を意識しながら、自分に最適な睡眠習慣を主体的に設計していくことが求められているのです。
現代社会における睡眠の重要性は、これまで以上に高まっています。単に長時間眠るだけでなく、その質や個々人に合った最適な睡眠リズムを追求する「新常識」は、多忙な現代人、特にリーダー層にとって、日々のパフォーマンス向上と健康維持に不可欠な要素であると言えるでしょう。自身の身体と向き合い、科学的根拠に基づいたアプローチで睡眠を「デザイン」することの重要性を、改めて認識させられる情報です。