藤井風の楽曲『Prema』に捧げる花束:永遠の愛を象徴するリース





この企画「名曲の花束」は、音楽の持つ力と花の美しさを結びつけ、聴く人の心に響く楽曲を、フローリストの感性でブーケやアレンジメントとして具現化します。今回は藤井風氏の楽曲『Prema』に焦点を当て、その「神聖な愛」というテーマを、時間や終わりがないことを意味するリースを用いて表現しました。読者からのエピソードと共に、音楽が持つ感情の豊かさを視覚的な芸術へと昇華させる試みです。
多くの人々の記憶に残る楽曲には、花が印象的な要素として登場することがよくあります。本企画は、そのような楽曲とそれにまつわるリスナーの物語を募集し、経験豊富なフローリストである戸部秀介氏が、それらの物語や楽曲の世界観を解釈し、花々で表現する連載です。今回取り上げられたのは、藤井風氏の楽曲『Prema』。この曲をリクエストした川崎市在住のWさんは、「聴くたびに気持ちが明るくなったり、穏やかになったりする」と語り、心の調和を求める際に繰り返し聴いていると述べました。特に「Prema」という言葉の響きとリズムが、彼女の心に深く響いているようです。
藤井風氏の楽曲には、ヒンドゥー教やインドの精神世界に深く根ざした言葉が散見されます。『Prema』もまた、サンスクリット語で「神聖な愛」を意味する言葉です。歌詞には「あなたは愛そのもの」「あなたは神そのもの」といったフレーズが繰り返し織り込まれ、普遍的な愛の概念を歌い上げています。この楽曲の崇高な世界観を表現するために、フローリストの戸部氏は円形のリースを選びました。リースは古くから「始まりも終わりもない、永遠の象徴」として、愛情を示す装飾品として親しまれてきました。
2025年に発表された藤井風氏のサードアルバム『Prema』に収録されているこのタイトル曲は、韓国の著名なプロデューサー250氏との共同制作で、済州島で生み出されました。80年代のロックやR&Bを基調としたサウンドは、全編英語の歌詞と相まって、日本国内のみならず海外からも高い評価を受けています。
音楽が紡ぎ出す感動と、花が持つ視覚的な美しさが融合することで、新たな芸術体験が生まれます。藤井風氏の『Prema』が表現する「神聖な愛」のように、花々は永遠の感情を静かに、そして力強く伝える媒体となり得るのです。この連載は、音楽が人々の心にもたらす影響と、それを形にする花の無限の可能性を探求し続けています。