西野亮廣氏が語るIP育成の極意:「桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年」の精神

西野亮廣氏は、自身のビジネス書がアマゾンで総合一位を獲得し、オリコンBOOKランキングでも首位に立つなど、多方面から注目を集める人物です。しかし、彼が絵本作家として活動を始めた17年前は、ほとんど世間の関心を集めることはありませんでした。そこから独力で努力を重ね、『えんとつ町のプペル』は、2026年には誕生から10周年を迎えます。このIPを大きく成長させてきた西野氏が、その道のりにおいて抱いてきた思いについて、「Voicy」で配信されている「#西野さんの朝礼」の内容を基に再構成してご紹介します。今回は、「桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年」というテーマでお伝えします。
「えんとつ町のプペル」が十周年を迎え、今年は多くの企業やメディアから提携の申し出が寄せられています。先日、東京国際フォーラムの観客席を眺めたり、マクドナルドのハッピーセットとの大規模なコラボレーション企画が発表された際、西野氏は「十年間の継続がもたらす景色がある」と強く感じたと言います。これらの機会は、活動開始から一年や二年では決して得られなかったものでした。
彼は、「いつまでプペルにしがみついているのか?」という意見を聞くたびに、「もし途中で手放していたら、今の成功は存在しなかった」と強く思います。そして、このような「もう次に進むべきだ」という周囲の声が、これまで数えきれないほどの可能性を潰してきたのだろうと推察しています。
IPは、今後の日本にとって極めて重要な産業の一つです。しかし、日本では「IPの育成方法」がまだ十分に共有されていないのが現状です。西野氏は、日本人が皆「桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年」という考え方を持つべきだと提案しています。桃や柿が植えてすぐに実を結ばないように、強力なIPもすぐに育つものではありません。物語は作品を重ねることで深まり、キャラクターはファンとの時間を共有することで成長します。それらが真の資産となるのは、世代を超えて受け継がれた時です。
それにもかかわらず、わずか二、三年で「まだそれを続けているのか?」という風潮が生まれてしまいます。もちろん、その一部には嫉妬心があるでしょう。しかし、特に年配の人間は、嫉妬を隠そうと必死になり、もっともらしい理由を作り出します。「もう旬は過ぎた」「次へ進むべきだ」「それでは発展しない」といった言葉です。これらの理由は、一見すると冷静で合理的ですが、そのような時間軸では、本来育つはずだったIPが途中で刈り取られてしまいます。幸い、西野氏は「知るか」と突き進む性格でしたが、多くのクリエイターは繊細です。だからこそ、彼は今、「まだそんなことをしているのか?」と言われている人々に向けて、このメッセージを送っています。
結局のところ、IPの成長には、長期的な視点と揺るぎない信念が不可欠です。世間の声に惑わされず、自身の創造物を信じ抜き、時間をかけて丁寧に育てていくこと。それが、真に価値あるIPを築き上げる唯一の道であり、日本の未来の文化産業を支える基盤となるでしょう。