角野卓造が愛する至高の美食:香港の記憶と新たな発見

俳優の角野卓造さんが、長年にわたりその舌を魅了し続けてきた「S級グルメ」の数々を披露します。ご自身の著書『予約一名、角野卓造でございます。』の京都編、続・京都編に続き、新たに東京編を刊行したことを記念し、珠玉の食体験が語られました。彼が心から愛する名店の記録は、食通ならずとも多くの人々を惹きつけます。今回、角野さんが特に印象深いと語るのは、意外なエリアに位置する一軒でした。
名優・角野卓造が語る、忘れられない香港の味:鏞記酒家
約30年前、香港でのテレビドラマロケが佳境を迎えていたある日、角野卓造さんは、共演者の田村正和さんやスタッフと共に、中環にある広東料理の名店「鏞記酒家」を訪れました。当時のテレビ業界は海外ロケが盛んで、ハワイやロサンゼルスなど様々な場所へ赴いたと角野さんは振り返ります。ドラマ「カミさんの悪口」の香港ロケで、プロデューサーの紹介により訪れたこの店で、彼は生涯忘れられない味に出会いました。田村正和さんもこの店を大変気に入り、賑やかな場所を好まない彼が珍しく満足していたと角野さんは語ります。
1942年創業の鏞記酒家は、香港広東料理の代表格であり、特にローストグースは国内外で高い評価を受けています。そのスペシャリテは一日300羽が売り切れることもあるほど。皮はパリッと香ばしく、肉はジューシーで、まさに絶品だったと角野さんは熱弁します。さらに、多くの食通が「世界一」と称するピータンもまた、彼の心を捉えた一品でした。ドラマチーム全員で分かち合ったその食事は、単なる美味しさを超え、心温まる思い出として深く記憶に刻まれているそうです。鏞記酒家は、香港中環威靈頓街32-40號に位置し、今も多くの美食家たちを魅了し続けています。
角野卓造さんの食に対する情熱と、長年のキャリアの中で培われた豊かな人生経験が、彼が選ぶ「S級グルメ」に深みを与えています。単なる美味しい料理の紹介に留まらず、それぞれの料理にまつわる人間ドラマや、忘れがたい思い出が織り交ぜられている点に、読者は大きな共感を覚えるでしょう。食を通じて人生を豊かにする、その真髄を角野さんは教えてくれます。