訪日客向け新免税制度「リファンド方式」導入で変わる日本の免税販売

新免税制度「リファンド方式」:不正転売防止と利便性向上への新たな一歩
新免税制度「リファンド方式」の概要と目的
全国免税店協会が10月22日に実施したメディア向け説明会では、11月1日から導入される「リファンド方式」について、その詳細が語られました。この制度は、外国人旅行者が商品購入時に一度消費税を含んだ価格を支払い、出国時に税関で商品の海外持ち出しが確認された後に消費税相当額の返金を受けるというものです。主な目的は、従来の免税制度で問題となっていた免税品の国内での不正転売を防ぐとともに、販売店側の事務手続きの負担を軽減することにあります。
不正転売対策の強化
これまで、購入時点で消費税が免除されていたために、免税品が日本国内で転売されるという問題が深刻化していました。リファンド方式では、旅行者が購入後90日以内に出国時に税関で持ち出し確認を受ける必要があるため、実際に商品が国外へ持ち出されない限り免税が成立しません。これにより、不正な転売行為を効果的に抑制することが期待されています。また、かつて不正に利用されることが多かった郵便局などを介した「別送」による免税措置は、2025年4月1日をもって廃止されることになりました。ただし、免税店から直接海外へ配送する「直送制度」は引き続き維持されます。
店舗運営の効率化と旅行者の利便性向上
新たな制度では、出国時の税関での持ち出し確認に手続きが一本化されるため、店舗側はこれまでの免税品に特有の梱包作業が不要となります。また、販売時に「通常生活の用に供するもの」であるかどうかの判断基準も撤廃されるため、店舗での会計プロセスが大幅に簡素化されます。これにより、レジ周辺の混雑緩和や店舗運営の円滑化が図られ、人手不足や多言語対応といった課題の解消にも繋がると期待されています。訪日客にとっても、手続きがよりスムーズになり、ショッピングの利便性が向上します。
デジタル技術を活用した手続きの進化
デジタル庁が提供する入国手続きウェブサービス「Visit Japan Web」の活用も、この新制度の重要な柱です。これまでもパスポートの代わりに2次元コードの利用が可能でしたが、リファンド方式の導入に合わせて、一部の主要国際空港(成田、羽田、関西、中部、福岡、新千歳、那覇)では、出国時の税関確認を自身のスマートフォンなどを利用してオンラインで行えるようシステムが改修されました。これにより、免税手続き端末の利用なしに、より迅速な手続きが可能となり、デジタル化を通じた旅行体験の向上が図られます。
地域経済への波及効果と将来展望
不正転売防止のための水際対策強化に加えて、デジタル技術の積極的な導入と店舗側の負担軽減は、免税販売手続きの委託範囲を拡大させることにも繋がります。これにより、地方における免税消費の拡大も期待されており、地域経済の活性化にも寄与する可能性があります。この新しい免税制度は、日本の観光産業が直面する課題を解決し、より魅力的で効率的なショッピング体験を訪日客に提供するための重要な施策と言えるでしょう。