識学・安藤広大氏が語る、人生を彩る「S級グルメ」の記憶

組織マネジメント理論「識学」を提唱する安藤広大氏が、自身の人生に深く刻まれた3つの「S級グルメ」を語ります。学生時代に心ゆくまで食べた定食屋の料理、ビジネスシーンで大切な人々をもてなすイタリアンの一皿、そして父から受け継いだラーメンの味。これらは単なる食事を超え、彼の成長と歩みを支え、忘れられない思い出として心に残る特別な存在です。それぞれの料理に込められたエピソードとともに、食が人生に与える豊かな影響が紐解かれます。
学生時代の原点と経営者の感性を刺激する味
安藤広大氏にとって「S級グルメ」の原点とも言えるのは、学生時代に足繁く通った西武柳沢の定食屋「明喜屋」です。早稲田大学ラグビー部の練習場の近くに位置していたことから、多くの部員がアルバイトとして働き、安藤氏もその一人でした。当時、皿洗いや配膳を手伝いながら、賄いとして振る舞われた「レバ入り豚肉とキャベツの唐辛子味噌炒め」、通称「レバカラ」は、彼の青春時代の象徴となっています。甘辛い味付けとボリューム満点の一皿は、今も無性に食べたくなるほどの魅力があり、彼にとって「世界一ご飯に合うおかず」と称されるほどです。現在も、当時お世話になった感謝の気持ちを込めて、訪れるたびにラグビー部の後輩のために代金を残すなど、お店と料理への特別な思いを持ち続けています。
経営者としての安藤氏の感性を刺激するのは、東京・代々木上原にあるイタリアンレストラン「Konel(コーネル)」で提供される水餃子とコンソメで煮込んだおでんです。「こねる」をテーマとするこの店では、中華料理店での経験を持つシェフが作るポルチーニ入り水餃子がコースの一部として供されます。もちもちとした皮の食感と香りの良い餡は、訪れる客に驚きと喜びを与えます。また、卵やトマト、ロールキャベツなど数種類が用意されるコンソメおでんも、その意外性と繊細な味わいで安藤氏を魅了しています。シェフとサーバーの二人体制で運営されているにもかかわらず、全くストレスを感じさせないスムーズなサービスも、安藤氏がこの店を高く評価する理由の一つです。彼は、料理の天才とサービスの天才が織りなす「Konel」の味と居心地の良さに感銘を受けています。
父の味を受け継ぐ「孝来」と心温まる家庭料理
安藤広大氏の「S級グルメ」の中でも、最も心に深く刻まれているのが、大阪・高槻で父親が営むラーメン店「孝来」の醤油チャーシューラーメンです。この店は昭和54年にJR茨木駅前に開店し、37年間にわたり地元の人々に愛されてきましたが、一度は立ち退きのために閉店を余儀なくされました。しかし、安藤氏のサポートもあり、2019年に見事に復活を遂げました。安藤氏は、このラーメンこそが自身の「味の基本」であり、父親の味を失いたくないという強い思いから、その復活に尽力しました。高級小麦粉を使用した麺、味をじっくりと染み込ませたチャーシュー、そして絶妙なタイミングで仕上げられるスープは、すべて父親一人で手作りされています。その一杯には、家庭料理のような温かさと、誰もがほっとするような優しい味わいが凝縮されています。
「孝来」という店名には、「誰かの一番の味が遠くにあったり、見つけられなかったりしても、孝来のラーメンが二番の味になれるように」という哲学が込められています。しかし、安藤氏にとって、このラーメンはまさしく「一番」の存在であり、なくてはならない我が家の味です。多忙な経営者である安藤氏は、今でも通販でこのラーメンを取り寄せ、東京の自宅で家族とともにその味を楽しんでいます。幼少期から青年期、そして現在の経営者としての彼の人生を支え、ふとした瞬間に思い出しては無性に食べたくなる。それが、安藤広大氏の心に寄り添い、彼を形作ってきた真の「S級グルメ」と言えるでしょう。これらの料理は、単なる栄養補給ではなく、彼にとっての活力源であり、大切な思い出の詰まった宝物なのです。