軽井沢の美食新潮流:薪焼きフレンチ「Restaurant Koo」が信濃追分にもたらす変革




軽井沢の風景が変わりゆく中で、特に信濃追分が新たな美食の地として注目を集めています。ガストロノミープロデューサーである柏原光太郎氏が今回訪れたのは、2021年にこの地で開業し、すでに多くのゲストを魅了している「レストラン クー」です。このレポートは、全国各地の魅力的なレストランを紹介する連載の最終回として、その独自の魅力を深く掘り下げています。かつて軽井沢は、年間800万人を超える観光客が訪れるものの、その大半がショッピングモール利用者であり、地域経済への貢献が課題でした。しかし、この10年で軽井沢は劇的に変化し、美食を目的としたデスティネーションレストランが数多く誕生。旧来の中心地から離れた南軽井沢や信濃追分、さらには御代田町、佐久市、東御市、小諸市といった周辺地域にも、新たな魅力を持つ飲食店が広がり、ガストロノミーツーリズムの聖地として息を吹き返しています。シェフの松島朋宣氏は、フランスの三つ星レストランでの経験を経て、26歳で神戸に自身の店を開業し成功を収めました。その後、妻の出身地である長野県への親近感から軽井沢への進出を検討。コロナ禍を機に、この信濃追分に二号店となる「レストラン クー」をオープンさせました。シェフは神戸と軽井沢を定期的に往復し、冬季は神戸店に集中するという運営体制で、両店の品質を保ちながら、地域に新たな価値を提供しています。
信濃追分に息吹く薪焼きフレンチの魅力
軽井沢の変化する風景の中で、特に信濃追分が美食の目的地として脚光を浴びています。この地域に2021年に誕生した薪焼きフレンチ「Restaurant Koo(クー)」は、ガストロノミープロデューサー柏原光太郎氏が注目する存在です。軽井沢は過去10年間で、単なるリゾート地から美食のデスティネーションへと進化しました。以前はアウトレット目的の観光客が多く、地域内での消費が伸び悩んでいましたが、現在では旧軽井沢や新軽井沢だけでなく、南軽井沢や信濃追分、さらには御代田町などの周辺地域にも、個性豊かなレストランが次々とオープンしています。「Restaurant Koo」は、この新しい潮流を象徴するレストランの一つです。軽井沢駅から車で約30分、しなの鉄道を利用すれば信濃追分駅からさらに車で10分ほどの、旧中山道の宿場町に位置しています。古民家を活用した店舗が並ぶ中に、ベーカリーと奥に広がるレストランが一体となった空間は、訪れる客に特別な体験を提供しています。
シェフ松島朋宣氏は大阪出身で、フランスの権威あるレストランでの修業を経て、26歳の若さで神戸に「Cuisine Franco-Japonaise Matsushima」を開業し、瞬く間に人気店へと成長させました。軽井沢への進出は、妻が松本出身であることや、神戸店のお客様との交流を通じて長野の食材に魅力を感じたことがきっかけです。コロナ禍での飲食業界の変化が、軽井沢に新たな拠点を設ける決断を後押ししました。現在は神戸と軽井沢を2週間ごとに往復し、不在時には神戸店の女性シェフが軽井沢店を支えるという、柔軟な運営体制をとっています。冬季(12月から3月)は軽井沢店を休業し、神戸店に専念することで、両店の品質と独自性を保っています。この「Restaurant Koo」は、松島シェフの豊かな経験と情熱、そして軽井沢という地の利を活かした、新たな薪焼きフレンチの可能性を追求しています。
シェフ松島朋宣氏の料理哲学と二拠点運営の挑戦
「Restaurant Koo(クー)」のオーナーシェフである松島朋宣氏は、その卓越した料理技術と独自の経営哲学で、軽井沢の食文化に新たな風を吹き込んでいます。彼の料理人としての道のりは、大阪で生まれ育ち、若くしてフランスの三つ星レストラン「ミッシェル・ゲラール」や一つ星「ミッシェル・リュボー」で研鑽を積むことから始まりました。これらの経験は、彼が2002年に26歳で神戸に自身のレストラン「Cuisine Franco-Japonaise Matsushima」を開業する上で、強固な基盤となりました。神戸での成功は、彼の才能と情熱が認められた証であり、その人気は瞬く間に広がり、多くの食通を魅了しました。その後、彼の料理哲学は軽井沢へと新たな展開を見せます。妻の故郷が長野であること、そして神戸で長野の地元の野菜を積極的に使用していたことから、この地への深い関心を持つようになりました。軽井沢に別荘を持つ顧客との交流も、彼がこの地との縁を感じるきっかけとなりました。
当初、軽井沢への移住や店舗展開は長期的な視野で考えられていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックが飲食業界に与えた影響が、彼の計画を加速させました。環境の変化をチャンスと捉え、2021年に信濃追分で「Restaurant Koo」をオープンすることを決断。松島シェフは現在、神戸と軽井沢を2週間ごとに往復し、それぞれの店舗で指揮を執るという、非常にユニークな「二拠点運営」のスタイルを採用しています。シェフが軽井沢に滞在している間は、神戸店を長年支えてきた女性シェフが軽井沢店に加わり、その高い技術とサービスを維持しています。また、冬季(12月から3月)は軽井沢店を閉め、神戸店に集中することで、一年を通じて両店舗のクオリティを保証しています。このような運営体制は、シェフ自身の創造性と両地域の食材への深い理解を最大限に活かし、顧客に最高の食体験を提供するための松島シェフの挑戦と情熱を物語っています。彼の料理は、薪焼きの技術を駆使し、素材本来の味を最大限に引き出すことで、訪れる人々に忘れられない感動を与え続けています。