鉄道愛好家の視点から見た周遊切符の変遷と新たな魅力




鉄道ライターの杉山淳一氏が、鉄道旅行の楽しみ方について語ります。かつては自由な旅の象徴であった「青春18きっぷ」は、2024年の冬季ルール変更により、連続した利用が前提となり、利用者の間で様々な議論を巻き起こしました。この変更は、従来の「1日単位で5回分」から「連続3日間」または「連続5日間」の2種類へと移行したもので、ネット上では一部批判的な意見も見受けられました。しかし、杉山氏自身は、年齢制限がなく、目的地を定めずに自由に乗り降りできる「青春18きっぷ」の持つ「乗り放題」という魅力は変わらないとしながらも、自身の多忙なライフスタイルには合わなくなってきたと明かしています。以前は、5日間を旅に費やすことが困難な場合もあり、余った利用回数を短距離移動に充てることもあったと言います。このような状況から、連続3日間の利用券が1万円で提供される新ルールは、むしろ歓迎すべき変化であると杉山氏は考えています。しかし、現実としては、多忙な日々の中で3日間の休暇を確保すること自体が難しくなり、「青春18きっぷ」の利用から遠ざかっているのが現状です。
こうした状況の中、杉山氏が新たに注目しているのが、JR東日本が2月から3月にかけて販売する「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス(キュンパス)」です。このフリーきっぷは、平日1日間用が1万円、平日連続2日間用が1万8000円という価格設定で、JR東日本エリアとその一部の第三セクター鉄道が乗り放題となるだけでなく、特急や新幹線も利用可能です。さらに、普通車指定席も1日間用で2回、2日間用で4回まで利用できるという特典が付いています。杉山氏は、2024年にこの「キュンパス」を利用して秋田県へ「横手やきそば」を食べに行く旅を敢行しました。東京から山形新幹線「つばさ」で新庄へ向かい、そこから奥羽線の普通列車で横手駅へ。かつて景色を見られなかった北上線を明るい時間帯に再訪するという、鉄道愛好家ならではの旅を満喫しました。2025年には常磐線を利用し、水戸の偕楽園やひたちなか海浜鉄道の神社巡り、日立駅でのカフェ体験、仙台でのラーメンなど、充実した旅を体験しています。2026年は買い損ねてしまったものの、2日間用ができたことで、弘前での宿泊と弘南鉄道大鰐線の乗車を計画しており、来年以降の「キュンパス」の販売を心待ちにしています。
フリーパスの活用は、単に移動手段としてだけでなく、旅の自由度と発見を広げる可能性を秘めています。多忙な現代社会において、計画を立てる時間がない中でも、気軽に旅に出られるフリーパスは、心の豊かさをもたらす貴重な存在です。鉄道の旅を通じて、新たな発見や出会いを楽しみ、日々の喧騒から離れて心身をリフレッシュすることは、私たちの生活に活力を与えてくれるでしょう。これからも、様々なフリーパスが提供され、より多くの人々が鉄道の旅の魅力を享受できることを願っています。