京都の朝、立ち込める香ばしい匂いに誘われて、日常を忘れるような特別な朝食体験が待っていました。築150年以上の京町家を改装した完全予約制の店「京都いとおかし」では、炭火でじっくり焼き上げた肉厚な銀鮭、専用の土鍋で炊き上げた艶々のご飯、そして目の前で削り出すカラスミを贅沢に使った卵かけご飯が、五感を刺激し、訪れる人々を魅了しています。料理の提供方法から、使用される食材、さらには水へのこだわりまで、そのすべてが特別な体験を創り出しています。
今回訪れたのは、京の風情を感じさせる築150年以上の京町家を美しく改装した、完全予約制の朝食処「京都いとおかし」でした。カウンター席に座ると、目の前で繰り広げられる調理の様子が、まるで舞台を見ているかのようなエンターテインメント性を感じさせます。伝統的な建築の中で、現代的な感性を取り入れた空間は、訪れる人々に非日常的な喜びを提供します。
この店の看板メニューは、炭火で丹念に焼き上げる「極厚銀鮭定食」です。今回は、特におすすめの「京都焼き」を選びました。目の前で鮭が焼かれる様子は、香ばしい煙とパチパチという音とともに、食欲をそそる感覚を呼び覚まします。職人の手によって丁寧に醤油が塗られる一連の動作は、見ているだけでも心地よく、料理が提供されるまでの時間も特別なものに変えてくれます。
供された鮭は、その名に偽りなく、驚くほどの厚みと豊かな脂を湛えていました。皮は香ばしくパリッとしており、ご飯と一緒に海苔のように巻いて食べるのが推奨されています。一口食べると、パリッとした食感、ジュワッと広がる脂、そしてふんわりとした身のハーモニーが、瞬く間に心を満たします。スチームオーブンで丁寧に火入れされているため、身はしっかりと引き締まりながらも、口の中でふんわりととろけるような柔らかさ。鮭本来の旨みが凝縮され、九州の甘口醤油をベースにした特製だれが、香ばしさを一層引き立てています。
また、この店のご飯へのこだわりも特筆すべき点です。使用されるのは軟水。店には軟水を供給するための設備が整えられており、その徹底したこだわりには感銘を受けます。艶やかに輝く粒立ちの良いご飯は、焼き鮭との相性が抜群で、一口ごとに米の甘みが口いっぱいに広がり、深い満足感を与えてくれます。テーブルに用意されたスパイス塩、青唐辛子オイル、蜂蜜レモンの3種類の薬味は、国内外からの訪問客が自分好みの味で楽しめるようにとの配慮から生まれたものです。「たくさんおかわりしてくださいね」というさりげない一言にも、温かいおもてなしの心が込められており、訪れる人々の心を和ませます。
そして、ご飯への深いこだわりがあるからこそ生まれた、人気の「追加の一品」メニューが「からすみ卵かけご飯」です。大分県産のブランド卵「蘭王」に、目の前で削りたてのカラスミをたっぷりと乗せたこの一品は、どんなにお腹がいっぱいでも、思わず追加したくなる誘惑に満ちています。ライブ感あふれるパフォーマンスで削られるカラスミは、鮮やかな蘭王の黄身と合わさり、視覚的にも美しい一皿を完成させます。一口味わうと、濃厚な卵のコクとカラスミの奥深い塩味がふわりと広がり、自然と笑顔がこぼれる至福の味わいです。