首都圏「住み続けたい街」ランキング:鵠沼が初の1位、東京23区の穴場も浮上






最新のリクルート調査によると、神奈川県藤沢市にある江ノ島電鉄線の鵠沼駅周辺が、首都圏の「住み続けたい街」ランキングで初めて首位に輝きました。都心へのアクセスに約70分を要するにもかかわらず、その開放的な気風と豊かな自然が、住む人々から高い評価を得ています。これは、東京都心部の駅が上位を独占する傾向にある中で、特筆すべき結果と言えるでしょう。
この調査は、首都圏に住む20歳以上の男女約25万人を対象に、2026年1月から2月にかけてインターネットを通じて実施されました。自分の居住地の快適さや定住意向を数値化する形で、今回で4回目を迎える大規模なものです。
鵠沼が選ばれた主な要因としては、「外国人や他地域からの転入者でも溶け込みやすい」という寛容な地域性が挙げられています。さらに、海岸線を中心とした魅力的な自然環境が、「お気に入りの場所」や「散歩・ジョギングコース」として住民に親しまれており、街への深い愛着を育んでいることが明らかになりました。前回調査で7位だった鵠沼が今回大きく順位を上げたことは、多様性を受け入れ、自然と共生するライフスタイルが求められている現代の傾向を反映していると言えます。
一方、ランキングの2位には東京都渋谷区の総武線千駄ヶ谷駅周辺が続きました。ここでは「近所付き合いが希薄で自由」な環境と「充実した運動施設」が評価のポイントとなっています。しかし、鵠沼を除けば、上位10位は依然として利便性の高い東京23区内の駅が占める結果となりました。
ただ、東京23区内の多くの地域は地価や家賃が高騰しているのも事実です。そこで、リクルートは家賃が比較的手頃でありながら「住み続けたい」と感じられる街のランキングも発表しました。東京23区(ファミリータイプ家賃16万円以下)では、東急池上線沿線の御嶽山、久が原、千鳥町といった駅が上位にランクイン。大田区や練馬区に、手頃な価格で快適な暮らしが実現できる「穴場」が多く存在することが示されました。
また、今回初めて実施された、商店街や地域の食文化の魅力を測る「美味しい街ランキング」では、みなとみらい線の馬車道駅が1位、みなとみらい駅が3位となり、横浜市内の駅がトップ10に4つ入る結果となりました。西武新宿線の本川越駅も9位に食い込み、地域ごとの多様な魅力が浮き彫りになっています。
これらの調査結果は、利便性だけでなく、開放的なコミュニティ、豊かな自然、手頃な住居費、そして魅力的な食文化といった多角的な要素が、人々が永住を望む街選びにおいて重視される傾向にあることを示唆しています。特に、鵠沼の躍進は、都心一極集中ではない、新たなライフスタイルの選択肢を求める声が高まっていることを物語っているでしょう。