2025年度上場企業の平均年収、大幅上昇の実態






2025年度の上場企業における平均年収が顕著な上昇を見せ、日本の雇用市場に新たな動向を示しています。東京商工リサーチの発表によれば、平均給与は前年度比で大幅に増加し、特に高所得者層の拡大が目立ちます。このような賃金動向は、大学教育が就職準備機関と化しているという社会的な見方をさらに強めるかもしれません。
東京商工リサーチの調査結果によると、2025年度の全上場企業3123社の平均年収は778万7744円に達しました。これは前年度に比べて4.0%増、金額にして30万216円の上昇です。この平均給与の増加は5年連続で続いており、調査対象企業の約8割にあたる2401社で前年度よりも給与が増加しています。国税庁が公表する民間給与実態統計調査の2024年における民間企業正規社員の平均給与554万9000円と比較すると、上場企業の給与水準の高さが際立っています。
詳細な分布を見ると、年収1000万円以上の企業は前年度から32社増えて139社に、900万円以上1000万円未満の企業は103社から148社に増加しました。同様に、800万円以上900万円未満の企業は271社から276社に、700万円以上800万円未満の企業は533社から565社に増加しています。一方で、700万円未満の年収レンジの企業は減少しており、これは上場企業全体の平均年収が着実に底上げされていることを明確に示しています。
産業別の年収を見ると、建設業が953万5000円で最も高く、小売業の550万8000円が最低となり、その差は402万円以上にもなりました。特に注目すべきは、不動産業の年収伸び率が9.9%でトップだった点です。都市部の土地価格やマンション価格の高騰、世界的な物価上昇、そして国際水準に合わせた報酬引き上げなどが、不動産業界の給与上昇を後押ししたと考えられます。年収ランキングの最高額は不動産開発を手掛けるヒューリックの2295万4000円で、上位10社には不動産関連企業や商社が多く名を連ね、上位7社が2000万円を超える年収を提示していました。
本調査は、日本の上場企業における賃金上昇の傾向と、産業間の格差を浮き彫りにしました。経済環境の変化や企業戦略が、従業員の報酬に直接的に影響を与えている実態が確認できます。今後の経済動向や企業戦略が、引き続き賃金水準にどのような影響をもたらすか注目されます。