ことでん、新型「2000形」運用開始 - 66年ぶりのオリジナル車両で香川に新風

高松琴平電気鉄道(ことでん)は、2023年10月1日、同社にとって66年ぶりとなる全く新しい自社開発車両「2000形」の運行を開始しました。この記念すべき出来事を祝う出発式が仏生山駅で盛大に執り行われ、地域に新たな鉄道時代の到来を告げました。最新技術を駆使したこの新型車両は、省エネルギー化、乗り心地の向上、そして安全性の強化を実現し、香川県の鉄道利用者にこれまでにない快適な移動体験を提供します。
今回導入された「2000形」は、総合車両製作所の「sustaina S13」を基盤とした2両編成で構成されており、まず2編成4両が運行を開始しました。瀬戸内海の青や香川の空をイメージした、一般公募で選ばれた洗練されたデザインは、「香川の新しい風」というテーマを象徴しています。車両の随所には最新鋭の設備が導入され、例えば、SiC素子を採用したVVVFインバータ制御装置や空気バネ台車、シングルアーム式パンタグラフなどがことでんの車両としては初めて搭載されました。これにより、消費電力は従来車両と比較して約7割削減されるなど、環境性能も大幅に向上しています。
車内設備も一新され、乗客の快適性が追求されています。大型LCD表示器では日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で運行情報が提供され、車内防犯カメラも各車両に3台設置され安全対策も万全です。また、車椅子スペースを兼ねたフリースペースにはクッションや2段式手すり、専用暖房機が完備されており、誰もが快適に利用できるバリアフリー設計となっています。これらの設備により、乗客は揺れや振動の少ない快適な移動を楽しめます。この新型車両の導入に伴い、1957年から1958年に製造された最古参の1070形車両が置き換えられ、鉄道の近代化が図られました。2027年2月にはさらに2編成4両の2000形が追加導入される計画で、総事業費は約22億円に上り、その約9割は国、香川県、および沿線自治体からの補助金によって支えられています。
出発式では、ことでんの植田俊也代表取締役社長が、新型車両が香川の「顔」として数十年間にわたり活躍し、観光振興や地域活性化に貢献することへの期待を表明しました。また、製造元の総合車両製作所の照井英之代表取締役社長は、sustainaシリーズの先進性、特に外装のスタイリッシュなレーザー溶接や、内装に高松の海や栗林公園の池の色を表現したブルーを採用したデザインの特徴について説明しました。
この新型車両の登場は、高松琴平電気鉄道のサービス向上だけでなく、香川県の交通インフラの未来を担う重要な一歩となります。最先端技術と地域への深い配慮が融合した2000形は、地域住民の日常生活の利便性を高めるとともに、香川を訪れる観光客にとっても魅力的な移動手段となるでしょう。これにより、ことでんは持続可能な地域社会の発展に貢献し、新たな鉄道文化を創造していきます。