アグネス・チャン、認知症の母との10年間を振り返る:歌が繋いだ親子の絆と介護の道のり






愛と歌が織りなす、国境を越えた親子の絆
アグネス・チャン、最愛の母との別れと10年間の介護の旅路
2025年6月、アグネス・チャンさんのお母様は、100年の生涯を香港の病院で静かに終えられました。その10年という歳月は、アグネスさんが母親のために尽くした介護の日々であり、感謝と「歌手であることの喜び」を感じた特別な時間でした。母への深い愛情と、自身の人生への誇りが交錯する、心温まる物語が今、語られます。
東京と香港を結ぶ、歌声と共に歩んだ介護の道
アグネス・チャンさんは、日本での多忙な活動と並行して、認知症を患ったお母様のために、東京と香港を頻繁に往復する生活を送っていました。90歳を過ぎてから認知症を発症したお母様を支えるため、アグネスさんは実家に宿泊し、24時間体制で付き添いました。パンデミックの困難な時期でさえ、2週間の隔離期間を経てでも「日本で心配しているよりも、母に会いたい」という強い思いから、多忙なスケジュールを調整して香港へ向かいました。最晩年には、入院中の母を見舞うため、週に二度も往復することもあったといいます。
記憶を繋ぎ、心を灯す「明るい雰囲気」の魔法
10年という時間の中で、お母様の認知症は徐々に進行し、アグネスさんのことを認識できなくなるほどになりました。厳しくも愛情深く、お洒落を楽しむ女性だった母の変化に、当初は戸惑いや苛立ちを感じたこともあったアグネスさん。しかし、次第に「母が穏やかに笑顔で過ごせることこそが一番」という思いが強くなっていきました。そこで彼女が心がけたのは、常に明るい雰囲気を作り出すことでした。アグネスさんはお母様に、鮮やかで華やかな洋服を数多く贈りました。その理由を「私がいるときは必ず、朝起きたら着替えさせました。弟は“どこにも出かけないんだから寝巻のほうが楽だろう?”っていうんです。わかってないな(笑)。女性だったらお洒落な服を着るだけで気分が明るくなるし、誰かが突然訪ねて来たときに寝巻姿だったら絶対に嫌ですよね」と語り、おしゃれがもたらす心の喜びを大切にしていたことを明かしています。