パン屋さんが手がける絶品シュークリーム!東京の隠れた名店を巡る

香ばしい生地ととろけるカスタードが特徴のシュークリームは、シンプルながらも奥深い魅力を持つスイーツです。年間200個以上を味わうという熱心な愛好家「シュークリーマン飯塚」が、今回は「パン屋さんが作るシュークリーム」に焦点を当て、東京で厳選した3つの店舗の逸品を紹介します。パン作りの技術が活かされた生地の食感や、独自の素材の組み合わせが生み出す新しい味わいは、シュークリーム専門店のものとは一線を画します。
最初に訪れたのは、木場公園近くに位置する「Boulangerie S.Igarashi 木場本店」。オーナーシェフの五十嵐聡太氏は、名だたるパン店での経験を経て2021年12月にこの店をオープンしました。今回紹介するのは、定番の「カスタードパイシュー」、季節限定の「アールグレイとラ・フランス」、そして個人的に最も印象に残ったという「2種のキャラメルパイシュー」の3種類です。
「カスタードパイシュー」は、ザクザクとしたデニッシュのような生地が特徴で、パン作りの技が光るもっちりとした食感が楽しめます。驚くのはそのクリームで、ミルクや卵の風味よりも、まずラム酒の香りが口いっぱいに広がります。この大人な香りは、一般的なカスタードクリームとは異なる、この店ならではの個性を際立たせています。
季節限定の「アールグレイとラ・フランス」は、紅茶の香りが主役。アールグレイのクリームは、華やかさだけでなく、香ばしさも感じさせる深みのある味わいです。これにラ・フランスのコンポートが加わることで、香りの強いアールグレイに甘みが加わり、味の変化が楽しめます。
特に注目すべきは「2種のキャラメルパイシュー」。コクと甘さが異なる2種類のキャラメルクリームが使用されており、片方がふんわりとした優しい甘さであるのに対し、もう片方がしっかりとしたキャラメルの風味で全体を引き締めています。この絶妙な組み合わせが、完成度の高い美味しさを生み出しています。五十嵐シェフは、自身も全国200店以上のパン屋さんを食べ歩くほどのパン愛好家であり、その経験と「どんなものを作りたいか」というゴールからの逆算で材料や組み合わせを考える哲学が、これらのシュークリームにも反映されていることが感じられます。どのシュークリームも、ただカスタードを詰めただけではなく、素材同士のハーモニーまで計算された逸品でした。
今回の探訪では、パン職人の独自の視点と技術が、シュークリームという伝統的なスイーツに新たな息吹を吹き込んでいることが明らかになりました。生地の食感へのこだわりや、素材の意外な組み合わせは、専門店では味わえない特別な体験を提供します。パン屋さんのシュークリームは、その店独自のパン作り哲学が凝縮された、まさに「隠れた名品」と言えるでしょう。