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モロッコの観光振興策:ワールドカップを契機とした成長戦略と未来投資

モロッコ政府は、2030年のFIFAワールドカップ共同開催を契機に、観光産業の成長を加速させる戦略を打ち出しています。この計画の中心は、ホテル収容能力を大幅に拡大し、国内外からの観光客誘致を強化することです。同時に、鉄道、道路、空港などの都市インフラ整備にも巨額な資金を投じ、観光客の利便性向上と地域経済の活性化を図ります。この大規模な投資は、モロッコ経済の重要な柱である観光業に持続的な発展をもたらし、将来的には2600万人もの旅行者を受け入れる目標を掲げています。さらに、欧州だけでなく中国、米国、中東からの訪問客を増やすための航空ネットワークの改善や、マラケシュやアガディール以外の地域への観光分散化も進め、文化遺産やスポーツ施設が豊富な首都ラバトを新たな観光ハブとして育成する構想も示されています。

モロッコ中央銀行は、観光収入が今後数年間で大幅に増加すると予測しており、この国の観光産業が新たな成長段階に入ったことを裏付けています。アモル観光大臣は、ワールドカップが最終目標ではなく、観光セクターに永続的な価値を創出するための「起爆剤」であると強調しており、戦略的な投資と多角的なアプローチを通じて、モロッコが世界有数の観光地としての地位を確立することを目指しています。ホテル建設、インフラ整備、そして新たな市場開拓への取り組みは、モロッコの観光産業をより強固なものにし、長期的な経済的利益をもたらすための重要な基盤となるでしょう。

ワールドカップを見据えた宿泊施設の大規模増強

モロッコは、2030年のFIFAワールドカップをスペインおよびポルトガルと共同で開催するにあたり、観光インフラの拡充を国家戦略の柱として位置づけています。この一環として、政府は国内のホテル宿泊能力を大幅に強化する計画を進めています。具体的には、既存の宿泊施設に加えて、新たに約6万床の客室を増設する予定であり、これは現在の総ベッド数の約20%に相当する規模です。モロッコの観光産業は、国内総生産(GDP)の約7%を占め、数十万人の雇用を創出する重要な経済部門であるため、この大規模な投資は、単にワールドカップの需要に対応するだけでなく、長期的な観光客増加を見越した持続可能な成長戦略の一環として捉えられています。

過去4年間で既に4万5000床のホテル客室が追加され、現在の総ベッド数は30万床を超えています。これにより、モロッコは2025年には2000万人近い観光客を迎え、アフリカで最も訪問者数の多い国の一つとなりました。2030年のワールドカップに向けて、政府はホテルだけでなく、鉄道、道路、空港、スタジアムなどの都市インフラにも1900億ディルハム(約200億ドル)以上を投資しています。これらの取り組みは、国際的なイベントを成功させるための準備であると同時に、モロッコが目指す2600万人という年間旅行者数目標の達成に向けた重要なステップです。観光大臣は、ワールドカップが「起爆剤」であり、観光産業に永続的な価値をもたらすための投資が必要であると強調しています。

多角的な市場戦略と地域分散化による観光振興

モロッコは、観光産業の将来的な成長を見据え、市場の多角化と観光地の分散化を重要な戦略として掲げています。これまで欧州からの航空路線が観光客増加の主要な推進力となっていましたが、今後は「次の成長フェーズ」として、中国、米国、中東といった新たな市場からのインバウンド客の獲得に注力します。この目標達成のため、航空ネットワークのさらなる改善が計画されており、これによりより多くの国際的な観光客がモロッコを訪れやすくなることが期待されます。モロッコ中央銀行の予測では、観光収入が2025年の1380億ディルハム(約145億ドル)から、2027年には過去最高の1610億ディルハム(約173億ドル)に達すると見込まれており、これらの市場拡大戦略が経済効果に大きく貢献すると考えられています。

さらに、観光客が集中するマラケシュやアガディールといった既存の有名観光地だけでなく、観光資源の分散化も積極的に進められています。その中心となるのが首都ラバトであり、何世紀にもわたる歴史的な建造物、博物館、スポーツ施設を擁するこの都市を、文化イベント、スポーツイベント、ビジネス旅行の新たなハブとして育成する計画です。この戦略は、地域全体の観光ポテンシャルを引き出し、訪問客に多様な体験を提供することを目的としています。観光大臣は、モロッコの観光に「永続的な価値を創出する投資」の必要性を強調し、持続可能な観光開発を通じて、経済的利益と地域社会の発展を両立させることを目指しています。これらの取り組みは、モロッコが国際的な観光デスティネーションとしての魅力を高め、長期的な繁栄を築くための重要な基盤となるでしょう。

南海電鉄の新型観光列車「GRAN 天空」:高野山への美食と絶景を巡る旅

2026年春に登場した南海電鉄の新型観光列車「GRAN 天空」は、その画期的なサービスで多くの注目を集めています。約一世紀ぶりに提供される車内食は、この列車の最大の魅力の一つです。高野山への道のりを、ただの移動手段ではなく、特別な体験へと昇華させる「GRAN 天空」は、豪華な内装と地域の食材を活かした美食で、乗客を魅了します。また、アクセスの良いなんば駅からの運行となり、高野山への旅がさらに手軽に楽しめるようになりました。かつての「天空」の面影を残しつつ、新たな魅力を加えたこの列車は、鉄道ファンだけでなく、ゆったりと美しい景色と食事を堪能したい旅行者にとって、まさに理想的な選択肢と言えるでしょう。

豪華観光列車「GRAN 天空」で巡る高野山への旅

2026年4月24日、南海電鉄は新型観光列車「GRAN 天空」の運行を開始しました。これは南海電鉄にとって約100年ぶりの食事付き列車であり、その豪華なサービスで大きな話題を呼んでいます。筆者自身も、かつての観光列車「天空」で両親と高野山を訪れた思い出があり、新型車両への期待はひとしおでした。「天空」の老朽化に伴い、一般車両2000系ズームカーを改造して誕生した「GRAN 天空」は、食事サービスの導入に加え、運行区間をなんば駅から極楽橋駅間へと延長。これにより、都心からのアクセスが格段に向上し、約1時間30分にわたるゆったりとした鉄道旅が実現しました。

列車は4両編成で構成されており、多様な座席タイプを提供しています。1号車には1列と2列配置のゆったりとした「リラックスシート」、2号車には景色を最大限に楽しめる横向き座席の「ワイドビューシート」が設けられており、これらは乗車券と特別急行券で利用可能です。3号車は自由に交流できる「ロビーラウンジ」。そして、最も注目されるのは4号車の「グランシート」と「グランシートプラス」です。この車両はわずか16席という贅沢な空間で、大きな青いソファが配置され、広々としたテーブルで窓外の景色を眺めながら食事が楽しめます。4号車では時間帯に応じてモーニング、アフタヌーンティー、ランチの各コース、またはワンドリンク付きプランが提供され、地元食材をふんだんに使った創作料理は、大阪のレストラン「Genji(源氏)」の元川篤シェフが監修しています。予約は2名から可能で、特別な体験を求める旅行者に最適です。

正午過ぎの12時45分、なんば駅の「GRAN 天空」専用0番ホームから列車は静かに発車しました。車内では、テーブルに既に美しい「おかもち」がセッティングされており、開けると職人手作りの木箱に南大阪や和歌山産の新鮮な食材を用いた12品の創作料理が彩り豊かに並んでいます。これに加え、炊き込みご飯と冷製土瓶蒸しが供されました。アテンダントによる最初のドリンクサービスでは、高野山周辺でしか味わえないという「天空高野ビール」を注文。窓向きの快適なソファに座り、ビールを片手に絶景を眺めながらの食事は格別です。列車は景勝地である龍王渓を通過する際には速度を落とし、乗客がその雄大な景色を存分に堪能できるよう配慮。橋本駅を過ぎて紀ノ川を渡ると、列車は原生林の中、50‰(パーミル)の急勾配を力強く登っていきます。レールの軋む音が響き渡り、旅情を一層深くする中、乗客は忘れられない鉄道の旅を体験するのです。

「GRAN 天空」の登場は、単なる観光列車の刷新以上の意味を持っています。それは、旅の概念そのものを再定義する試みと言えるでしょう。速さや効率性だけでなく、移動する時間そのものを目的とし、五感で楽しむ「体験」へと変化させています。特に、美しい車窓からの景色と、地域色豊かな美食の融合は、現代の旅行者が求める「贅沢な非日常」を完璧に具現化しています。この列車は、忙しい日常から離れ、ゆったりとした時間の中で心身をリフレッシュさせたい人々にとって、かけがえのない選択肢となるのではないでしょうか。高野山の神聖な自然と、それを繋ぐ「GRAN 天空」の美食の旅は、きっと多くの人々に深い感動と癒しをもたらすことでしょう。

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生坂村道の駅、ハンガリーとの異文化交流で地域活性化

長野県生坂村にある道の駅「いくさかの郷」は、その入り口に掲げられた「ハンガリー村」の看板が示す通り、ユニークな国際色豊かな施設として注目を集めています。館内の食堂「かあさん家」では、本場の味を再現した「ハンガリープレート」が提供され、物産紹介コーナーではハンガリーの特産品が並びます。特に、道の駅で販売されている「かあさん味噌」が、ハンガリー大使館賞を受賞したことは、生坂村とハンガリーとの交流の深さを象徴しています。この道の駅は、異文化との交流を通じて、地域の魅力を高め、新たな観光資源を創出する成功事例と言えるでしょう。

「いくさかの郷」がハンガリー色を強く打ち出すようになったのは、2019年の開業時、地域の特色を際立たせるための戦略的な取り組みとして、駐日ハンガリー大使館の協力を得たことに始まります。食堂「かあさん家」では、大使館公認レシピに基づいた「パプリカチキン」と揚げパン「ラーンゴシュ」がセットになった「ハンガリープレート」が提供されています。パプリカチキンは、鶏もも肉をトマトやパプリカと共に煮込んだハンガリーの家庭料理であり、ラーンゴシュはサワークリームとチーズをトッピングするのが一般的です。道の駅では、これに生坂村特産の野沢菜炒めを添えた、和洋折衷のラーンゴシュも提供され、訪れる人々に驚きと喜びを与えています。

筆者は「ハンガリープレート」を味わうために、事前に電話で予約をしました。人気のメニューであるため、材料が不足することもあるそうです。提供されたプレートには、伝統的なラーンゴシュと、生坂村ならではの野沢菜トッピングのラーンゴシュが両方盛り付けられており、ハンガリーと生坂村の食文化が見事に融合していました。また、「かあさん家」は、鉄板で焼いた後に熱い灰の中で蒸し焼きにする伝統製法で作られる「灰焼きおやき」でも知られています。これらの特色あるメニューが、「いくさかの郷」の大きな魅力となっています。

道の駅のハンガリー紹介コーナーでは、ハンガリー製の刺繍製品や可愛らしいマスコット人形が展示されており、訪れる人々にハンガリーの文化を紹介しています。さらに、食品販売コーナーでは、ハンガリー産のワインも取り扱われており、多角的にハンガリーの魅力を発信しています。道の駅で販売されている生坂農業公社製の「かあさん味噌」は、2024年度の「ニッポンおみやげアワード」グローバル部門において、ハンガリー大使館賞を受賞しました。この受賞は、中央ヨーロッパの農業大国であるハンガリーと、生坂村との長年にわたる交流が実を結んだ証です。ブドウ栽培が盛んなハンガリーと、同じくブドウを特産品とする生坂村の交流は、互いの特産品の認知度向上に大きく貢献することが期待されています。

「いくさかの郷」は、単なる道の駅の枠を超え、異文化交流の拠点として機能しています。ハンガリー大使館との連携による本格的な料理の提供や、特産品の共同開発、文化紹介を通じて、生坂村の地域活性化に大きく貢献しています。このような国際的な取り組みは、地域の魅力を再発見し、国内外からの訪問者を引きつける新たな観光モデルとして、今後の発展が期待されます。地域固有の文化と異国の文化が融合することで生まれる、新たな価値創造の可能性を示していると言えるでしょう。

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