大分県から生まれた「麦麦焼酎」の魅力:常徳屋酒造場の挑戦

グラスを近づけると、麦の豊かな香りが広がり、一口含むと、深いコクと甘みが全身に染み渡る。そんな麦の潜在能力を最大限に引き出した力強い麦焼酎を、dancyuでは「麦麦(バクバク)焼酎」と称している。大分県は「二階堂」や「いいちこ」、「兼八」といった人気銘柄を輩出してきた麦焼酎の一大産地であり、その地で麦の可能性を追求し続ける「常徳屋酒造場」の二つの銘柄に注目が集まっている。
「麦麦CLUB」のメンバーである小料理店「かまびす」の一場ちひろ氏は、清澄白河で蒸留酒と小料理をテーマにした店舗で飲料を担当し、焼酎に関する独自の感性を持つ。エシカル・スピリッツの蒸留家である山口歩夢氏は、酒粕の再蒸留など廃棄素材を再利用したクラフトジンを製造し、発酵と醸造に関する深い知識と多角的な分析力を持つ。「鳥酎 神田大手町」の店長である中瀬航汰氏は、焼酎への情熱が際立つ若手として注目されており、彼の店は単なる飲酒の場ではなく、焼酎の奥深さに触れる社交場となっている。押上にある「焼酎Bar 秘蔵」の店主、土山章裕氏は、全国から焼酎ファンが訪れる店を営み、約1300銘柄の焼酎を揃える。1912年創業の酒屋「内藤商店」の四代目、東條晃一氏は、日本酒や焼酎など約5000銘柄を扱い、ワインやテキーラに関する資格も持ち、幅広い知識を持つ。「居酒屋 Hana」の店主、花岡賢氏は、繊細な創作料理と緻密なペアリングで食通と酒好きを魅了し、日本酒、ワイン、焼酎に関する膨大な知識を持つ。
1907年に日本酒蔵として創業した「常徳屋酒造場」は、清酒製造の技術を活かした飲み飽きしない焼酎造りを継承しながらも、四代目の中園誠氏が、一口目の印象を重視した新銘柄「宇佐ぼうず 道中」を開発した。焙煎した麦を原料とすることで、熟成とともにコクとロースト香が増す味わいを実現している。また、「宇佐ぼうず 道中」よりも穏やかな「常徳屋 道中」は、麦本来の自然な甘みと飲みやすさが特徴だ。大分県で最も広大な穀倉地帯である宇佐平野で採れるはだか麦のみを使用し、まさに「地酒」を追求した逸品となっている。
「麦麦CLUB」のコメントによると、中瀬氏は「宇佐ぼうず 道中」について「ほうじ茶のような焙煎香で、まるで焼きたてのパンのようだ」と評している。花岡氏は「常徳屋 道中」の香りを「クリームパンの甘い香りとクレソンの渋みが共存している」と表現し、山口氏は「フルーツブランデーを思わせる洋梨やぶどうのアロマを感じる」と述べている。この夏は、ぜひ「麦麦焼酎」を試してほしい。特に、力強い味わいの肉中華との相性は抜群である。この魅力的な焼酎は、焼酎愛好家はもちろん、新しい味覚体験を求める人々にも強く推奨される。