大河ドラマに見る真田信繁と織田信長の交錯

歴史の狭間で描かれる人間模様:大河ドラマ「真田丸」の魅力
「真田丸」における信長と信繁の意外な接点
2016年の大河ドラマ「真田丸」は、三谷幸喜氏が「新選組!」以来12年ぶりに脚本を担当した意欲作です。通常、織田信長と真田信繁の間には直接的な接点は少ないとされていますが、このドラマでは、信長が武田家を滅ぼした「天目山の戦い」の後、諏訪法華寺に滞在していた際に、真田昌幸と息子の信繁が信長に挨拶に訪れるという、ドラマ独自の展開が描かれました。これは、主人公である信繁を戦国の雄である信長に会わせたいという制作陣の熱意が色濃く反映された設定と言えるでしょう。
諏訪法華寺での緊張感あふれる対面
本能寺の変の約2ヶ月前、真田昌幸はついに織田信長との対面が実現します。場所は、信長が滞在していた諏訪の法華寺。この寺院は、他の大河ドラマでも信長が明智光秀を折檻する場面でしばしば登場し、大河ドラマファンにはおなじみの舞台です。「真田丸」では、昌幸だけでなく、その次男であり主人公の真田信繁も同行しました。武田家滅亡直後の法華寺には、徳川家康も居合わせており、かつて三方ヶ原の戦いで武田軍に惨敗した家康にとって、武田家臣時代に軍功を挙げた昌幸は因縁の相手でした。このような設定は、歴史的事実の整合性を保ちつつ、物語に深みを与える三谷幸喜氏の巧みな手腕が光ります。真田親子はまず信長の嫡男である信忠と面会しますが、信忠は昌幸が織田への服属を誓う書状と、同時に上杉に援軍を求める書状を入手したとして、昌幸を厳しく問い詰めます。なんとかその場を乗り切った昌幸は、信長への拝謁を許されます。信長はブーツ姿で登場し、「真田安房守か」の一言で真田の織田への服属を認めます。しかしその直後、信繁たちは、信長が明智光秀の頭を欄干に打ち付けながら激しく叱責する場面を目撃することになります。これは、後の本能寺の変に繋がる、信長と光秀の確執を象徴する出来事として、多くの大河ドラマで描かれてきたシーンです。信長が去った後、ぐったりした光秀を家康が介抱する場面も挿入され、登場人物たちの人間関係に複雑な陰影を与えました。