料理評論家が絶賛!岐阜「泉屋」の鮎ラーメンが織りなす至福の味わい






日本を代表する料理評論家である山本益博氏が、かつてのB級グルメという枠を超え、美食の世界で新たな地位を確立しつつあるラーメンの奥深さを探る連載企画。今回は、岐阜県川原町に佇む鮎料理の名店「泉屋」が提供する「鮎ラーメン」の魅力を、山本氏自身の体験を交えながら深く掘り下げます。長年にわたり、夏の風物詩として山本氏を魅了し続けてきたこの特別な一杯は、コース料理の締めくくりとして完璧な存在感を放ちます。閉店の知らせを受け、山本氏はその唯一無二の味わいを惜しみつつ、改めてその感動を伝えます。
鮎料理の真髄を味わう「泉屋」の鮎ラーメン
岐阜県の風情ある川原町に位置する「泉屋」は、鮎料理の専門店として知られています。かつて市内の繁華街にあった頃から、その「鮎ラーメン」は山本益博氏の関心を引きつけました。当初は鮎の塩焼きが目的だった山本氏も、食後の鮎ラーメンが持つ独特の魅力に徐々に魅了されていきます。移転後の「泉屋」を訪れるたびに、彼はこのラーメンを堪能し、その繊細な風味と完成度の高さに舌を巻きました。特に、先に味わった鮎の塩焼きの余韻を決して邪魔することなく、鮎の風味を存分に楽しめるコースの締めくくりとして、この鮎ラーメンは他に類を見ない存在だったのです。
山本益博氏の「ラーメン革命」連載において、鮎の季節が到来するたびに「泉屋」の鮎ラーメンを取り上げようと考えながらも、いつでも紹介できるという思いから見送られていました。しかし、今年限りでの閉店という知らせが山本氏の耳に入り、彼は急ぎ「泉屋」へと足を運びました。夏の鮎の旬に合わせ、まずは「鮎の塩焼き」を心ゆくまで味わい、その後に「鮎ラーメン」をしみじみと堪能しました。「泉屋」の鮎の塩焼きは、地元の二つの異なる川で獲れた鮎が二尾提供され、それぞれの川で育った鮎が持つ微妙な味わいの違いを楽しむことができます。この独特の趣向もまた、多くの食通を惹きつける理由の一つです。
清らかなスープに宿る鮎の香り:至福のラーメン体験
「泉屋」の鮎ラーメンを味わう前に、まずはビールと共に鮎の塩焼きを楽しむのが山本氏のおすすめです。しっかりと焼き上げられた鮎の頭にかぶりつくと、川魚特有の芳醇な香りとほろ苦さが口いっぱいに広がります。そこで冷たいビールを一口流し込むと、両者の旨味が相乗効果を生み出し、まさに至福の瞬間が訪れます。身を味わった後、再びビールを飲み、最後に尾をつまみ、もう一口ビールを飲む。頭は唐揚げ、身は塩焼き、尾は干物と、鮎の魅力を余すところなく引き出した完璧な塩焼きを堪能した後、満を持して登場するのが「鮎ラーメン」です。
丼の中には、干物にされた鮎が堂々と横たわり、その姿だけでも食欲をそそります。まずスープを一口含むと、驚くほど清らかで穏やかな、そして優しい味わいが広がります。その中で、鮎ならではの芳醇な香りがふわりと立ち上り、食べる者を包み込みます。丼には余計な具材は一切なく、ひたすら鮎の風味に集中できる構成になっています。塩焼きを味わう際と同様に、鮎の頭、身、尾の順にラーメンを味わい、その合間に清らかなスープで口の中をリフレッシュする。この繰り返しが、鮎の奥深い風味をより一層際立たせ、忘れがたい食体験へと誘うのです。