東海地方、絶品ラーメン探訪:TRY審査員が選ぶ珠玉の三杯

ラーメンの世界には、一度食べたら忘れられないような特別な一杯が存在します。旅行先で偶然見つけた店や、地元の人々に長年愛されてきた食堂など、その土地ならではの味が心に深く刻まれることがあります。全国各地のこうした珠玉の一杯を巡り、その魅力を発信しているのが「TRYラーメン大賞」の審査員たちです。彼らは2026年版の『TRYラーメン大賞全国版』に向けて、心に残る最高のラーメンを求めています。今回はその中でも、特に東海地方に焦点を当て、岐阜、静岡、愛知で見つけ出された個性豊かな三杯を紹介します。わざわざ遠方から訪れる価値のあるこれらのラーメンには、一体どのような魅力が隠されているのでしょうか。審査員たちの情熱的なコメントと共に、その秘密を探ります。
岐阜と静岡、こだわりの一杯を巡る旅
まず岐阜県多治見市に位置する「中華そば 渦」は、審査員・星野氏が絶賛する名店です。彼はこの店のラーメンを「煮干しが効いた濃厚なスープに、歯切れの良い低加水麺が絶妙に絡む」と評し、さらに魅力的なサイドメニューの豊富さも相まって、つい長居してしまうほどの居心地の良さを兼ね備えていると語ります。店主の小野田生氏は、愛知県蒲郡市の有名店「だし・麺 未蕾」で培った技術を活かし、出汁の風味を最大限に引き出したラーメン作りに専念しています。特に「中華そば しお」は、豚骨ベースにサバ節、煮干し、昆布を重ねた奥行きのあるスープが特徴で、昆布や干し貝柱を軸にした塩ダレが魚介の旨味を際立たせています。低加水の自家製細麺がスープと一体となり、豊かな出汁の余韻を口いっぱいに広げます。
次に、静岡県掛川市の「麺屋 さすけ 本店」は、審査員・かずま氏が推薦する一軒です。彼は「麺、つけ汁、具材の全てにこだわりが詰まっており、印象深い清湯つけ麺だ」と称賛します。細部にまで工夫が凝らされているにもかかわらず、どれ一つとして手抜きがなく、店主の佐々木優介氏が自信を持って創り上げたことが伝わると語ります。佐々木氏は独学で店を立ち上げ、醤油ラーメンの探求のため自ら醤油造りにも挑戦。鶏の旨味を凝縮したスープに、オリジナルの黒大豆醤油を合わせることで、素材本来の味わいを研ぎ澄ませてきました。看板メニューの「京小麦Premiumつけ麺」では、京小麦を使用した自家製の高加水麺が主役。鶏醤油と煮干し白醤油の二種類のつけ汁が用意され、どちらも小麦の豊かな風味を最大限に引き立てます。麺とつけ汁が織りなす一体感は、佐々木氏の自家製麺技術と探求心の結晶と言えるでしょう。