森田恭通氏が愛する「原点回帰の味」:神戸餃子、大阪カレーうどん、香港ワンタン麺

世界的に活躍するデザイナー、森田恭通氏が、多忙な日常の中で自身の原点を見つめ直すきっかけとなる美食体験について語ります。豪華な空間デザインで知られる彼が、意外にも親しみやすい庶民的な料理、具体的には神戸の味噌ダレ餃子、大阪のカレーうどん、香港のエビワンタン麺に特別な思いを抱いています。これらの料理は、若き日に出会って以来、彼の心に深く刻まれ、単なる味覚を超えた「初心に帰れる味」として、今日の彼のデザイン哲学や仕事への向き合い方に大きな影響を与えています。森田氏は、これらの料理が持つ素朴でありながらも奥深い魅力に触れることで、常にフラットでニュートラルな感性を保ち続けていると述べます。
森田氏がこれらの店に通い続けるのは、単に美味しいからだけではありません。そこには、駆け出しの頃の記憶や、デザインに対する情熱を再確認できる価値が詰まっています。例えば、街角の中華そば店のような親しみやすい空間のデザインを手がける際、彼はその「ベタな感じ」を大切にすると言います。カウンターに置かれたビニール製スツールや、壁に貼られた手書きのメニュー、厨房の活気ある様子など、お客様を惹きつける「美味しそうな雰囲気」は、彼が若い頃から通い詰めた店々から学んだものです。これらの経験が、どんなに高級なオファーにも対応できる柔軟な姿勢を養う上で不可欠であったと彼は振り返ります。
森田恭通が語る「初心に帰る」美食体験
数々のラグジュアリーな空間を手がける森田恭通氏が、自身の心の拠り所となっている庶民的な料理について深く語ります。彼が挙げるのは、神戸の味噌ダレ餃子、大阪のカレーうどん、そして香港のエビワンタン麺。一見、彼の華やかなイメージとは異なるこれらの選択ですが、森田氏にとっては、これらが「初心に帰れる味」であり、デザイナーとしての原点を思い出させてくれる大切な存在です。特に、餃子には約40年、うどんとワンタン麺には30年近く通い続けているといい、これらの店が彼がキャリアをスタートさせたばかりの頃の記憶と結びついていることがわかります。素朴でありながらも深い味わいは、彼のデザインにおける「ベタな感じ」や「美味しそうな雰囲気」を追求する哲学にも通じています。
森田氏は、デザインの仕事において、高級レストランからカジュアルなカレーショップまで、幅広いジャンルを手掛ける上で、常に「フラットでニュートラルな姿勢」を保つことの重要性を強調します。この姿勢を維持するために、彼が実践しているのが、若い頃から通い慣れたこれらの店に定期的に足を運ぶことです。これらの店は、カウンター席だけの小さな空間であったり、メニューが壁に所狭しと貼られていたりするなど、飾らない魅力に溢れています。森田氏は、こうした店で過ごす時間が、彼の感性を磨き、新たなデザインのインスピレーションを得る上で不可欠だと感じています。まさに、これらの料理と空間が、彼にとってのデザインの源であり、絶えず原点へと立ち返らせてくれる大切な場所なのです。
森田恭通厳選!心に残るS級グルメの数々
森田恭通氏が「S級グルメ」として特に推薦するのは、神戸の味噌ダレ餃子の名店「ぎょうざの店 ひょうたん 元町店」の餃子と、香港を訪れるたびに必ず立ち寄る「麥奀雲吞麵世家Mak's Noodle」のエビワンタンヌードルです。神戸餃子との出会いは18歳の頃、初めてバーのインテリアを手がけた時期にまで遡り、その約40年にわたる付き合いは、彼にとっての「ソウルフード」としての深い意味合いを持っています。豚ミンチをたっぷり使った赤味噌ベースの味噌ダレは、他では味わえない独特の風味で、森田氏が最も愛する味です。2020年の一時閉店からの復活は、長年のファンである彼にとって大きな喜びであり、この店が持つ普遍的な魅力と地域に根差した存在感を物語っています。
また、国際的に活躍の場を広げる森田氏にとって、香港は特別な場所です。27歳で初めて海外旅行した際に偶然立ち寄った尖沙咀の店で食べたエビワンタン麺の味が忘れられず、それ以来、香港を訪れるたびに「麥奀雲吞麵世家Mak's Noodle」に通い続けています。1920年創業という老舗の味は、多くの香港市民に愛される名店として知られ、森田氏が初めて訪れた頃から変わらない伝統の味を守り続けています。このワンタン麺を味わうたびに、彼は「いつか海外でデザインを手がけたい」と野心を燃やしていた青年時代を思い出し、自身の「初心」に立ち返ることができると語ります。これらの料理は、森田氏にとって単なる美味しい食事ではなく、自身のキャリアと人生の節目を彩る、かけがえのない記憶と情熱の象徴となっています。