樋口新葉:競技人生から新たな挑戦へ

スケートの軌跡:過去と未来を繋ぐ挑戦
ライバルとの距離感:独自の哲学で挑んだ競技生活
2022年北京オリンピックで女子シングル5位、団体銀メダルを獲得したフィギュアスケーター、樋口新葉選手。彼女は22年間の競技生活に終止符を打ち、現在はプロスケーターとしての活動に加え、大学院での学びにも力を入れています。競技生活を振り返る中で、彼女は「他のスケーターの演技をあまり見なかった」という意外な事実を明かしました。多くのトップアスリートがライバルを徹底的に分析する中で、樋口選手は自身の演技を追求するため、あえて他の選手とは距離を置いていたのです。技術的な要素は参考にするものの、表現を競うフィギュアスケートにおいて、他人と「同じ」になることを避けたかったと語ります。
闘争心が生んだ葛藤:新たな視点との出会い
しかし、彼女は自身の強い闘争心が、他の選手の素晴らしい点を受け入れることを妨げていた可能性についても言及しています。そんな彼女にとって、ミラノ・コルティナ五輪での解説という経験は、まさに「目から鱗」の体験でした。これまで意図的に避けてきた「客観的にフィギュアスケートを見る」という役割を通して、初めて冷静に選手の演技と向き合い、一人ひとりの魅力に気づかされたと言います。この経験が、彼女にフィギュアスケートの純粋な面白さを再認識させ、同時に、選手の魅力や努力を言葉で表現することの難しさと新たなプレッシャーを感じさせることになりました。現在、彼女は大学院でその言語化能力を磨くことに集中しています。