進化したGRカローラ「25式後期」:限定車から通常モデルへ、強化されたボディと新機能






2022年に初めてお披露目された高性能モデル「GRカローラ」が、三度目の改良を終え、「25式後期」として新たな姿を見せています。かつては抽選での限定販売で、入手が困難だったこの車両ですが、供給体制の見直しにより、今回のモデルからは通常販売のラインナップに加わることが決定しました。この変更は、多くの車愛好家にとって朗報となるでしょう。試乗を通じて、さらに洗練された大人のハッチバックの魅力に迫ります。
GRカローラとは、トヨタのスポーツカー部門であるGR(ガズーレーシング)が、人気のカローラをベースに開発した高性能車両を指します。2021年以降、GRは水素エンジンを搭載したカローラで耐久レースに参戦しており、その開発状況はテレビCMなどでも広く紹介されています。未来の市販車への水素エンジン技術の応用を目指し、実戦を通じて技術の熟成が図られているのです。
この市販版GRカローラには、GRヤリスの開発で培われたパワートレインが移植されています。GRヤリスは、トヨタが世界ラリー選手権(WRC)に参戦するために開発したラリーカーのベース車両であり、その技術がGRカローラにも惜しみなく注ぎ込まれています。2022年には500台限定で抽選販売され、後に豊田章男会長が監修した「モリゾウエディション」も登場し、大きな話題を呼びました。
翌年には、サスペンションやステアリング周りを強化したモデルが550台限定で発売されました。そして、2025年3月には「25式前期」としてさらなる改良が施され、最大トルクの向上、4WDトルク配分の変更、そして6速MTに加え8速ATが設定されました。しかし、わずか半年後の9月には、さらなる改良モデル「25式後期」が登場。短期間での度重なる進化は、GRカローラの開発における情熱と技術力の高さを物語っています。
わずか半年の違いでありながら、「25式前期」と「25式後期」の間には顕著な進化が見られます。特に注目すべきはボディ剛性の強化です。フロントボディ、フロア、リアホイールハウスを中心に、構造用接着剤の塗布量が従来比で13.9m増となる32.7mに延長されました。これにより、車体の重量増を最小限に抑えつつ、剛性を大幅に向上させています。また、エンジンルームにはクールエアダクト(2次吸気ダクト)が追加され、長時間の高負荷走行時でも安定したエンジン出力を維持できるようになりました。さらに、オプションのJBLプレミアムサウンドシステムには、アクティブサウンドコントロール(ASC)が新たに搭載されています。この機能は、アクセルやシフト操作による車両の動きに合わせて、車内でスポーツカーのようなエキサイティングなサウンドを再現するものです。アクセルオフ時にはバブリング音まで鳴らすことができ、公道にいながらにしてレーシングカーを運転しているかのような臨場感を、周囲に迷惑をかけることなく楽しめます。
この最新モデルは、その限定的な販売形態からカタログモデルへの転換、そして度重なる技術的な進化を経て、成熟したスポーツハッチバックとしての地位を確立しました。サーキットで培われた技術が惜しみなく投入され、ドライバーに最高の走行体験を提供する一台となっています。