ANAホールディングス、第1四半期で過去最高の売上高を記録するも減益

ANAホールディングスは、2027年3月期第1四半期において、前年同期を大きく上回る売上高を達成し、四半期としては過去最高の記録を更新しました。しかし、同時に発表された連結決算では、燃料コストの増加などが響き、利益面では前年を下回る結果となりました。航空事業全体は堅調な伸びを見せ、特に国際線旅客部門はインバウンド需要の回復とレジャー目的の渡航増加に支えられ、大幅な増収を記録しています。
2027年3月期第1四半期(2026年4月1日から6月30日まで)の連結決算詳細を見てみると、売上高は前年同期比22.6%増の6727億円に達し、この期間における過去最高を記録しました。この好調な売上を牽引したのは、主に中核事業である航空事業です。航空事業全体の売上高は、前年同期比24.9%増の6208億円と大きく伸びました。特にANAブランドの国際線旅客は、観光客の増加や日本からのレジャー旅行需要の積極的な取り込みにより、旅客収入が同20.0%増の2476億円、旅客数も14.3%増の236万3000人となりました。成田発バンコク線や成田発バンクーバー線の増便など、需要に応じた柔軟な路線調整が功を奏した形です。
ANAブランドの国内線旅客も同様に好調で、「国内線航空券タイムセール」といった施策がレジャー需要の喚起に繋がり、旅客収入は1.1%増の1636億円、旅客数は3.9%増の1064万2000人となりました。LCC(格安航空会社)であるPeach Aviationも、訪日観光客や国内レジャー需要の堅調な推移により、収入が22.0%増の357億円、旅客数が9.3%増の241万8000人と、大幅な成長を見せました。ピーチは国内線の関西/新千歳線や関西/那覇線を増便し、国際線でも関西/金浦線と中部/金浦線を2025年8月以降増便するなど、運航規模を拡大しています。
一方、国際貨物事業では、前年度第2四半期に連結子会社化した日本貨物航空(NCA)との連携強化や、半導体関連製品などAI関連の高まる需要を最大限に取り込んだ結果、売上高が前年の2.6倍に急伸しました。このような各事業の売上拡大にもかかわらず、燃油費を中心に営業費用が増加した影響が大きく、営業利益は前年同期比43.5%減の207億円、純利益も15.4%減の194億円と減益となりました。なお、2027年3月期の通期連結業績見通しについては、期初に発表された売上高2兆7700億円、営業利益1500億円の予想が据え置かれています。
ANAホールディングスは、国際線・国内線旅客事業、LCC、そして国際貨物事業と、多岐にわたる航空関連事業で売上を伸ばしました。特に、コロナ禍からの回復を背景としたインバウンド需要の増加や、レジャー需要の積極的な獲得が、売上高の過去最高記録達成に貢献しています。しかし、燃料費の高騰という外部要因が利益を圧迫し、増収減益という結果となりました。今後も需要変動に合わせた柔軟な運航計画とコスト管理が、同社の業績を左右する重要な要素となるでしょう。