『おとなの週末』が選ぶ未来に残したい一皿:蕎麦、カレー、麻婆豆腐の絶品

時代を超えて愛される、珠玉の味覚の旅へ
25年の歴史を誇る食の探求:ライターが選ぶ「未来へ残したい一皿」
『おとなの週末』は、この度創刊25周年という節目を迎えました。この記念すべき年を祝し、本誌の長年のファンであり、22年間食の世界を取材し続けてきたベテランライター、菜々山いく子氏が特別企画に登場します。彼女がこれまでに味わった料理の中から、「未来に遺すべき逸品」として選んだ至高のメニューをご紹介。日頃からの愛読者への感謝、そしてこの25年間で誕生した素晴らしい飲食店への敬意を込めて、その選定理由とともに深く掘り下げていきます。
西荻窪『蕎麦カネイ』:「花巻」が織りなす伝統と革新のハーモニー
菜々山氏が深く魅了された一品は、西荻窪に佇む『蕎麦カネイ』の「花巻」です。2022年1月号で初めて出会った同店のざる蕎麦の深い味わいに感銘を受け、その後も足繁く通ううちに、温かい蕎麦の魅力に開眼したと言います。特に「花巻」は、漆器の蓋を開けた瞬間に立ち上る磯の香りが食欲をそそり、厳選された焼き海苔と濃厚な出汁、そして風味豊かな蕎麦が見事に調和する逸品です。海苔を取り巻く環境が厳しさを増す現代において、この江戸の粋を感じさせる伝統の味を守り伝えたいという店主の情熱と、それを支える菜々山氏の想いが伝わってきます。
『エリックサウス』:南インド料理の魅力を日本に広めたパイオニア
南インド料理を日本に広めた立役者として、菜々山氏が絶大な信頼を寄せるのが『エリックサウス』です。2011年のオープンから数年後に行われた取材で、その斬新なスパイス使いと、複数のカレーを混ぜ合わせて楽しむという食文化に衝撃を受けたと言います。菜々山氏の心の中では、今もなおカレー界の絶対的な存在として君臨しており、その独自の味わいは多くの人々を魅了し続けています。
『珍々』:麻と辣が織りなす、家庭的でありながら芸術的な麻婆豆腐
かつて本誌で頻繁に企画されていたジャンル別ランキング。その麻婆豆腐特集で味部門の頂点に輝いたのが、『珍々』の一皿でした。重慶出身の女将が、ごく一般的な厨房で手際よく作り上げる麻婆豆腐は、その家庭的な雰囲気とは裏腹に、驚くほどの完成度を誇ると菜々山氏は絶賛します。花椒の痺れと唐辛子の辛さが絶妙に絡み合い、まさに味の芸術品と呼ぶにふさわしい、記憶に深く刻まれる逸品です。