ワイン売り場で選択に困るという声は少なくありません。数多の選択肢の中から、後悔のない一本を選ぶのは至難の業です。こうした状況において、専門家の助言は非常に貴重な指針となります。今回、ワイン専門ECサイト「京橋ワイン」を運営するワインキュレーションの商品開発部、岡田氏が、その豊富な知識と経験に基づき、特にお勧めする一本としてオレンジワイン「ヴォルテクス」を紹介しました。
岡田氏によると、オレンジワインは5年前から販売を始めたものの、当時は「時期尚早」との声も聞かれました。しかし、粘り強く販売を続けた結果、現在ではその人気に火がつき、ブームの兆しを見せていると言います。同氏がこのタイミングで「ヴォルテクス」を改めて紹介する背景には、長年の努力と市場の成熟があるのです。
この「ヴォルテクス」を手がけるのは、ボルドー地方の醸造家オリヴィエ・カズナーヴ氏です。高価で均一的なワイン造りに疑問を抱いた彼は、「ボルドーでも質の良い、手頃な価格のワインが作れる」という信念のもと、独自のワイン造りを開始しました。その結果、数々の独創的なワインを生み出し、今では多くのミシュラン星付きレストランで彼のワインが提供されるまでになりました。「ヴォルテクス」はその中でも特に注目されるオレンジワインであり、その年の最適なブドウ品種を選んでブレンドするため、毎年異なるセパージュが特徴です。2024年ヴィンテージは、セミヨン80%とソーヴィニヨン・ブラン20%の組み合わせとなっています。
岡田氏が提唱する「ヴォルテクス」との最高の組み合わせは、鶏もも肉の塩麹焼き、または塩麹ポークソテーです。塩麹で柔らかくなった肉の旨味と、オレンジワインの奥深い風味が絶妙に調和すると言います。さらに、ワインの穏やかなタンニンが、肉の香ばしい焼き目と素晴らしい相性を見せるそうです。豚の生姜焼きもまた、このワインとの相性が抜群だと述べられています。
このオレンジワインは、特別な日だけでなく、日々の食卓で気軽に楽しんでもらいたいと岡田氏は語ります。家族や親しい友人との食事の場で、カジュアルに味わうのに最適です。また、有機栽培のブドウを使用しているにもかかわらず、飲みやすいクセの少ないタイプであるため、暑い夏の夕方に、よく冷やしてコンテやミモレットといったチーズと共にアペリティフとして楽しむのも素晴らしい過ごし方だと提案しています。テイスティングノートとしては、甘みはドライ、渋みは控えめ、酸味は穏やか、重さはミディアムと評価されています。