あうとどあぼうけん

槍ヶ岳への憧憬と祖母の面影:梅おにぎりと共に歩む登山道

山は私たちをいつも変わらず受け入れてくれる存在だとよく言われますが、筆者にとって「逃げる山」と表現される槍ヶ岳は、幾度となく計画を阻まれ、まるで手のひらからすり抜けるかのような存在でした。しかし、この山への強い憧れと、亡き祖母との温かい思い出が詰まった梅おにぎりが、筆者の登山への原点となり、挑戦への糧となっています。

北アルプスへの初挑戦であった燕岳からの眺めは、筆者の心に深く刻まれました。その時、ひときわ目を引いたのが、鋭くそびえ立つ槍ヶ岳の頂。その雄大な姿に魅せられ、「いつかあの山に立つ」という強い思いが芽生えました。しかし、その後の登山計画は常に天候に恵まれず、台風などの予期せぬ事態によって延期を余儀なくされてきました。まるで、恋焦がれる相手になかなか近づけないような、もどかしい気持ちを抱き続けていたのです。

そんな中、人生の大きな転機が訪れます。長年待ち望んだ槍ヶ岳への挑戦を目前に控えたある夏、筆者の祖母が逝去しました。夕焼けがマンションの隙間から差し込み、空が美しく染まる夏の終わりの出来事でした。その光景は、まるで祖母が会いに来てくれたかのように感じられ、厳しさの中に温かさを持つ祖母が、最後に力強いエールを送ってくれたのだと筆者は受け止めました。

祖母は沖縄で生まれ育ち、山登りとは無縁の人生を送っていましたが、筆者が山に惹かれるようになった原点は、祖母との幼少期の思い出に深く根ざしています。祖母のサトウキビ畑での手伝いは、幼い筆者にとって特別な時間でした。そこは小高い丘にあり、祖母は力仕事の合間に、ポリ袋に無造作に入れた梅干し入りのおにぎりを頬張るのが一番だと言っていました。人に見られるのは少し恥ずかしいと感じるような、素朴なおにぎりでしたが、サトウキビ畑の丘で、広がる青空とどこまでも続く海を眺めながら一緒に食べたその味は、筆者の心に深い感動と活力を与えました。この記憶が、今でも筆者の山行に欠かせない「梅おにぎり」の習慣へと繋がっています。山に向かう朝、自分で握った梅おにぎりを食べると、あの頃と同じように力が湧いてくるのを感じるのです。

槍ヶ岳への思いと祖母の思い出が交錯する中で、筆者は単なる山登り以上の意味を見出しています。山が与えてくれる挑戦と、祖母が教えてくれた温かさと強さが、筆者の人生を豊かに彩る大切な要素となっているのです。

マムートが初の大型展示会「マムート・イノベーション 2026」を開催!限定品販売や先行展示も

スイス発のアウトドアブランド、マムートが、同ブランド史上初となる大規模展示イベント「マムート・イノベーション 2026」を新宿にて開催しました。10月1日(木)から4日(日)までの4日間限定で実施された本イベントでは、数量限定アイテムの先行販売や最新コレクションの展示、さらには参加型アトラクションなど、多彩なコンテンツが来場者を魅了しました。YAMA HACK編集部が特別にイベントを視察し、今シーズン注目のプロダクトやイベントのハイライトをご紹介します。

このイベントでは、日本を代表するデザイナーとのコラボレーションによる限定コレクションや、過酷な環境に対応する「Eiger Free 2.0」、そして日常使いにも適した「Alpsコレクション」といった最新プロダクトが展示されました。また、俳優の岡田准一さんも挑戦した巨大な逆さ岩「HANG ROCK」の体験や、トレイルランニングをイメージした空間演出など、来場者がマムートの世界観を五感で楽しめる工夫が随所に凝らされていました。

限定コラボと最先端コレクションの魅力

「マムート・イノベーション 2026」の大きな見どころは、マムートと日本の著名デザイナーによる特別なコラボレーションアイテムの展示と先行販売です。特に「eYe JUNYA WATANABE MAN + MAMMUT」では、マムートの豊かなアーカイブからインスピレーションを得て、渡辺淳弥氏が独自の視点で再構築した限定ジャケット6型とバックパック1型が披露されました。これらのアイテムは、ブランドのアルパインDNAを継承しつつも、現代のライフスタイルに自然に溶け込むような洗練されたデザインが特徴です。また、藤原ヒロシ氏が主宰する「Fragment」とのコラボレーションによる特別仕様のアバランチビーコン「Barryvox S2 FRGMT Edition」も注目を集めました。この限定モデルは、高い機能性に加え、スペシャルなデザインが融合しており、イベント会場では先行販売が行われ、多くのファンがその機会を逃すまいと駆けつけました。さらに、このコラボを記念してFragmentが監修した限定アパレルも登場し、サンダーボルトマークからマンモスロゴが抜け出すユニークなデザインが、来場者の視線を引きつけました。

イベントでは、限定コラボアイテムの他に、マムートの最先端技術を駆使した最新コレクションもいち早く公開されました。フリーライダーのために開発された「Eiger Free 2.0」コレクションは、雪山での自由な動きと安全性を両立させる高性能アイテムが揃い、特にGORE-TEX Proを使用した「アイガー フリー プロ ハードシェル フーデッド ジャケット」の先行販売は大きな話題となりました。このジャケットは、他の地域では11月12日以降の発売となるため、会場でいち早く手に入れられるチャンスは貴重です。また、イタリアのピニンファリーナとの協業で誕生した「Alpsコレクション」も注目されました。このコレクションは、アウトドアでの保護性能と耐久性を保ちながら、日常での快適性も追求した最高峰のプレミアムラインで、インサレーションやハードシェルなど全5型が展示され、10月1日の発売と同時に実際に手に取ることができました。さらに、長年愛されている「ドライ・ダウン」コレクションの新作も登場し、高所登山から都市生活まで幅広いシーンに対応する25型がラインナップ。水分吸収を抑え、高い保温性と軽量性、動きやすさを実現した高品質なダウン製品は、マムートの技術力の高さを象徴しています。

五感で楽しむ体験型イベントとマムートの世界観

「マムート・イノベーション 2026」は、単なる製品展示に留まらず、来場者がマムートの世界観を全身で体験できるようなアトラクションが豊富に用意されていました。特に注目を集めたのは、店内に設置された巨大な逆さ岩「HANG ROCK」の体験コーナーです。これは、マムート・アンバサダーを務める俳優の岡田准一さんもオープニングイベントで挑戦し、その高い身体能力を披露したことで話題となりました。来場者は事前予約制でこのアトラクションに挑戦でき、岡田さんのように片手でぶら下がれるか、自身の限界に挑むことができました。この体験は、マムートが掲げる「挑戦」の精神を象徴するものであり、多くの参加者が興奮と達成感を味わいました。

さらに、会場内ではマムートがパートナーシップを結んでいる著名な山岳イベントに関連する展示も行われました。「ハセツネCup(日本山岳耐久レース)」や「FWT(Freeride World Tour)」にまつわる展示は、ブランドがサポートするアスリートたちの活躍や、極限の環境下での製品の性能を視覚的に訴えかけるものでした。また、会場の一部にはトレイルランニングをイメージした体験コースが設けられており、都心にいながらにして山岳フィールドの雰囲気を体感できる空間が創出されていました。YAMA HACK編集部員も「今シーズンの注目アイテムが勢ぞろいする豪華なイベントで、新作をいち早くチェックしたい人はもちろん、普段は店舗に入りづらいと感じる人にもおすすめ」とコメント。新宿駅からアクセスしやすい立地も相まって、東京近郊の山で活動する人々にとって、このイベントはマムートの最新情報とアウトドア体験を一度に楽しめる絶好の機会となりました。4日間という短い期間でしたが、多くの来場者がマムートの革新性と魅力を存分に感じ取ることができたでしょう。

もっと見る

北海道駒ヶ岳、噴火警戒レベル2に引き上げ:入山規制にご注意を

2026年10月2日、気象庁は北海道駒ヶ岳の噴火警戒レベルを2に引き上げました。この決定は、同火山の活発な活動と小規模な噴火の可能性を考慮したものです。これに伴い、赤井川登山道は閉鎖され、登山客は入山を控えるよう求められています。本記事では、この状況の詳細と、登山者および周辺住民が取るべき対策について解説します。

火山活動の活発化に伴う入山規制:安全確保のための重要なお知らせ

北海道駒ヶ岳、噴火警戒レベル2に引き上げの詳細

2026年10月2日の午前8時、気象庁は北海道に位置する駒ヶ岳の噴火警戒レベルを、従来のレベル1からレベル2へと引き上げました。このレベル2は、「火口周辺規制」を意味し、火口周辺への立ち入りを制限するものです。今回の引き上げは、火山活動の活発化が観測され、小規模な噴火が発生する可能性が高まっていることに起因しています。

現在の入山規制と登山道閉鎖の状況

北海道駒ヶ岳では、通常夏季に限り赤井川登山道からの入山が可能でした。しかし、噴火警戒レベルが2以上に引き上げられた場合、赤井川ゲートが閉鎖される規定があります。このため、現在、北海道駒ヶ岳への登山は完全に禁止されており、登山を計画している方は注意が必要です。

登山者および周辺住民への注意喚起

気象庁は、火口から概ね4kmの範囲内では、噴火に伴って弾道を描いて飛散する可能性のある大きな噴石に対して警戒するよう呼びかけています。また、地元自治体からの指示に厳密に従い、危険が予測される地域には絶対に立ち入らないようにしてください。さらに、風下側に位置する地域では、火山灰や小さな噴石が風に乗って遠くまで飛散する恐れがあるため、外出時には十分な注意が必要です。

もっと見る