ぐるめぶんか

神戸トアロードに誕生したシャルキュトリの新星「Buvons」:フレンチと和の融合が織りなす美食体験

神戸の閑静なトアロードに、食通たちの熱い視線を集める新進気鋭のビストロ「Buvons(ブボン)」が誕生しました。この店は、元町で長きにわたり愛されてきた「頃末商店」がプロデュースを手掛け、フランス料理の伝統と日本の豊かな食材が見事に融合したシャルキュトリを提供しています。特に注目すべきは、パテ・クルート世界選手権で栄冠に輝いた塩見隆太郎シェフの類稀なる才能。彼の創造性あふれる料理は、訪れる人々にこれまでにない美食体験を約束し、ワインとの新たな出会いを演出しています。店内に一歩足を踏み入れれば、洗練された空間と、旬の素材を活かした独創的なメニューの数々が、五感を刺激する至福のひとときへと誘います。

神戸三宮「Buvons」:美食の新たな風を吹き込む

2024年1月、神戸三宮駅から徒歩10分のトアロード東側に、食の世界に新たな風を吹き込むビストロ「Buvons」が華々しくオープンしました。この店は、元町で四代続く歴史ある酒屋「頃末商店」が手掛けたもので、早くもワイン愛好家たちの間で話題沸騰中です。

「Buvons」の厨房を預かるのは、フレンチ界で11年のキャリアを持つ塩見隆太郎シェフ。彼は「神戸北野ホテル」で研鑽を積み、2022年には「パテ・クルート世界選手権」で輝かしい優勝を飾った実力者です。塩見シェフは、「シャルキュトリを日常に」という哲学を持ち、頃末商店の「新しいお酒との出会いや、お酒の魅力を知るきっかけになれば」という思いと共鳴し、このプロジェクトを始動させました。

店内は、カウンター6席とテーブル10席が配された洗練された空間。特注のワインセラーが目を惹き、訪れる客の期待感を高めます。料理はアラカルト形式で、パテ、ハム、テリーヌといったシャルキュトリが店の看板メニュー。その他にも、季節ごとのサラダ、メイン料理、食事メニュー、デザートまで幅広い選択肢が用意されており、カウンターの黒板には旬の素材を用いた「今週のおすすめ」が日替わりで並びます。

特に「ハム・パテ盛り合わせ」(3,930円)は必食です。定番の「Buvonsパテ」に加え、紅茶のリキュールでマリネした鴨とドライフルーツのパテ、香り高いゴボウと山椒のパテ、オリーブと炭火焼きパプリカのパテなど、そのラインナップは多岐にわたります。塩見シェフは「日本の食材を活かしつつ、フレンチの技術を融合させる」というこだわりを持ち、ゴボウや山椒、海苔、タケノコといった和の素材を取り入れた独創的なパテやテリーヌを創作しています。彼の言葉によれば、「ゴボウは日本のハーブ。その香りを最大限に引き出したかった」とのこと。

評論家の門上さんは、「まるでフランスのシャルキュトリが日本の地に出現したようだ」と評し、和の要素が加わることで「フランスと和の融合の可能性」を楽しみながら味わうことを勧めています。

また、「牛ハチノスのカツレツ」(3,850円)も「Buvons」ならではの一品です。リヨンでは馴染み深いメニューでありながら、日本では煮込み料理として供されることが多い牛ハチノスを、あえてカツレツに仕立てています。柴漬けのラビゴットソースとトマトの酸味が、力強いカツレツの風味を見事に引き立て、門上さんも「ラビゴットソースが秀逸!」と絶賛しています。さらに、明石の仲卸「つる一」から仕入れた新鮮な明石鯛を使ったムニエルは、定番の焦がしバターソースに海藻のパウダーを加えることで、より一層香り高く仕上げられています。

伝統と革新が織りなす、食の新たな価値

「Buvons」の登場は、単なる新しい飲食店のオープンに留まりません。それは、伝統的なフレンチの技法と日本の豊かな食文化が交差する、新たな食の価値創造を象徴していると言えるでしょう。塩見シェフの「シャルキュトリを普段着に」という思いは、特別な日のご馳走としてだけでなく、日常的に気軽に楽しめる美食としてのシャルキュトリの可能性を広げています。また、頃末商店の「新しいお酒との出会い」という理念は、食とお酒のペアリングの奥深さを再認識させてくれます。

この店が提案する「フランスと和の融合」は、食の多様化が進む現代において、消費者に新鮮な驚きと感動を与えています。日本の四季折々の食材が持つ繊細な風味と、フレンチの洗練された技術が織りなすハーモニーは、まさに唯一無二の体験です。「Buvons」は、食を通じて地域文化の活性化にも貢献し、神戸の美食シーンに新たな魅力を加える存在として、今後もその動向が注目されます。

炸響鈴:音を食べる杭州名菜の秘訣

軽快な鈴の音を思わせるシャリシャリとした歯触りが特徴の「炸響鈴(ヂァシャンリン)」は、湯葉を揚げた魅力的な料理です。湯葉の独特な食感と風味を最大限に引き出すためには、揚げ方だけでなく、その前段階の準備にも熟練の技が求められます。外側はパリッと、内側はジューシーな肉餡の旨みが広がるこの一品は、まさに音までも味わうことができる美食体験を提供します。

この杭州名菜の調理において、最も重要な要素の一つが湯葉の巻き方です。きつく巻きすぎると、肉餡から出る水分が湯葉に吸収され、肝心なシャリシャリとした食感が失われてしまいます。かつて、料理人の山本豊氏が湯島聖堂で働いていた頃、中国料理研究部の指導者である中山時子氏から、音が不十分であると厳しく指摘された逸話があります。その原因は、湯葉をきつく巻き過ぎたことにあったとされています。山本氏によれば、「7分程度の緩さで巻く」ことが、理想的な食感を生み出すための秘訣です。この繊細な巻き加減が、湯葉が口の中で心地よい音を立てて崩れる食感の基盤となります。

さらに、揚げ方にも特別な技術が凝縮されています。まず、高温の油で湯葉の表面に急速に熱を加え、ふっくらと膨らませます。その後、油の温度を下げて中火にし、じっくりと時間をかけて肉餡の内部まで火を通します。この二段階の揚げ方によって、湯葉特有の軽やかな歯触りを損なうことなく、肉餡の旨味と一体化させることができます。最終的には強火に戻し、美しいきつね色になるまで揚げることで、外はカリカリ、中はふんわりとした完璧な仕上がりを実現します。この調理法は、なぜこの料理が「炸響鈴」と名付けられたのかを物語っており、咀嚼する際の音こそが料理の核心であることを示しています。

山本豊氏がこの料理にかけた情熱と、師である中山時子氏の教えが、湯葉包み揚げ「炸響鈴」の深い味わいと独特の食感に凝縮されています。軽やかな響きと共に、その歴史と技術の粋をぜひご堪能ください。

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美食評論家が選ぶ、東京の隠れた名店5選

食通の間で高い評価を得るフードライター、森脇慶子氏が、最近開店したばかりの五つの名店を厳選しました。彼女の独自の視点と深い知識に基づき、流行に左右されない真の美味しさを追求したこれらの店舗は、食の探求者にとって必見です。

六本木に誕生した「TORCH」は、薪焼き料理で有名な「Metis」の姉妹店です。本店が高価格帯であるのに対し、こちらは一万円前後で上質な料理が楽しめるとあって、日常使いに最適です。アラカルト形式で、様々な薪焼き料理を気軽に堪能できます。特に「黒毛和牛A5クリミ『スティックアッシェ』&漬け真っ赤卵」は、シェフのこだわりが詰まった逸品です。また、赤坂にオープンした「Arcadia」は、元々紹介制だった大人のワインバー。現在は一般にも開放され、珍しいクラシックワインをリーズナブルな価格でグラス提供しています。ワインだけでなく、22歳の若きシェフ、山田優馬氏が手掛ける本格的な料理も魅力で、軽食からメインディッシュまで充実しています。

これらの店舗は、それぞれ異なるコンセプトと魅力を持っています。高級感あふれる空間で特別な体験を提供する店、カジュアルながらも質の高い料理を提供する店、そして希少なワインと洗練された料理を気軽に楽しめる店。森脇慶子氏が推奨するこれらの新店は、東京の多様な食文化をさらに豊かにし、訪れる人々に新たな発見と感動をもたらすことでしょう。食の喜びを通じて、人々の生活に彩りと活力を与える存在です。

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