絶品にらうどんと手打ち麺の秘密!三田「自家製麺へんくつ」の魅力に迫る

港区三田の裏通りにひっそりと佇む「自家製麺へんくつ」は、開店以来、瞬く間に食通たちの間で話題を呼んでいます。特に、その名物である「にらうどん」は、多くの客を魅了し、昼時には行列が絶えません。この店を率いるのは、福岡の和食店で研鑽を積み、うどんの可能性に魅せられて再び東京へと舞い戻った山本征児氏。彼の長年の探求と情熱が詰まった一杯は、まさに「ありそうでなかった」新境地を開拓しています。
自家製麺へんくつのこだわりと至高の一杯
「自家製麺へんくつ」は、JR田町駅および都営地下鉄三田駅から徒歩5分の場所に位置し、2026年1月1日にオープンしました。店主の山本征児氏は福岡出身で、17歳で上京し、麻布の魚料理の名店「富ちゃん」で料理長を務めるなど、和食の世界で確かな腕を磨きました。その後、故郷でうどんの奥深さに触れ、35歳で再度上京し、十条の人気店「讃岐うどん いわい」で本格的にうどん打ちの技術を習得。彼の経験と情熱が結実したのが、この「自家製麺へんくつ」なのです。
店の看板メニューである「にらうどん」は、その見た目のインパクトもさることながら、一口食べればその深い味わいに驚かされます。細かく刻まれたニラが麺を覆い尽くし、まるで緑の絨毯のような美しい光景が広がります。スープは、鰹節と鯖節を基調とした和風だしに、うるめ節、宗田節、真昆布、干し椎茸を加えて丁寧に煮込まれており、すっきりとした中に奥深い旨味が凝縮されています。さらに、熱した牛脂を最後に加えることで、動物性の豊かなコクと香りが加わり、まさに「肉吸い」を彷彿とさせる濃厚な味わいが生み出されています。
そして、このうどんの美味しさを支えるのが、山本氏が「コシよりも粉の味を大切にする」と語る自家製麺です。常時4種類の小麦粉を独自にブレンドし、うどんの種類によって使い分けています。「にらうどん」に使われるのは、「きぬあかり」を主軸に、しっとりとした「ちくごいずみ」、そしてオーストラリア産小麦粉の3種。これにより、絹のような光沢と「つるもち」の食感、そして噛むほどに広がる小麦本来の甘みが楽しめます。生地は体重をかけて足で踏み、最低2日間熟成させることで、ただ硬いだけでなく、しなやかで伸びのある独特のコシが生まれます。
もう一つの名物「塩うどん」も必食です。こちらは「もちひめ」と「きぬあかり」の2種類の小麦粉をブレンドし、米粉のようなもちもち感と、絹のような艶やかさを両立させています。味付けは塩のみとシンプルながら、数種類の塩をブレンドした塩だれと米油で和えられ、すだちを絞れば爽やかな風味も加わります。また、「にらうどん」には生卵や自家製辣油を加えて味の変化を楽しむこともでき、さらに「ささみ天」や「生なめこのかき揚げ」といったユニークなサイドメニューも充実しています。
食の探求が生み出す、うどんの新たな魅力
「自家製麺へんくつ」のうどんは、従来の讃岐うどんのような強いコシとも、博多うどんのような柔らかさとも異なる、独自の進化を遂げています。それは、店主の山本氏が和食の世界で培った繊細な味覚と、うどん職人としての探求心が見事に融合した結果と言えるでしょう。落ち着いた店内で、丁寧に作られた唯一無二のうどんを味わう時間は、まさに至福のひとときです。食の奥深さを再認識させてくれる、そんな「へんくつ」のうどんは、訪れる人々に新たな感動と発見を与え続けています。