首都高、料金改定と車両火災対策を強化

首都高速道路は、霞が関本社で開かれた定例会見において、10月1日より実施される料金体系の変更と、増加傾向にある車両火災への対応策について詳細を公表しました。代表取締役社長の青木由行氏は、料金改定の背景と、特に車両火災発生時の安全確保の重要性を強調し、利用者に協力を呼びかけました。
首都高速道路の料金体系変更と割引継続
首都高速道路は、2026年10月1日から料金改定を実施すると発表しました。これにより、普通車の1kmあたりの料金は、現在の29.52円から32.472円へと約3円引き上げられます。この改定は、全車種を合わせた平均改定率で8.1%の上昇となりますが、最低料金300円と最大料金適用距離55.0kmは変更ありません。また、大口・多頻度利用者向けの割引制度「大口・多頻度割引の割引率拡充措置」については、2031年3月末まで継続されることが決定しました。車種別の料金では、軽自動車・二輪は280円から1740円、普通車は300円から2130円に上限が引き上げられます。中型車、大型車、特大車の料金は、2026年10月から2027年6月までは据え置かれ、2027年7月1日から改定が実施されます。
この料金改定は、首都高速道路の維持管理や将来の交通インフラ整備に必要な財源を確保するための措置であり、利用者の皆様にはご理解とご協力をお願いしています。特に、長期的な交通ネットワークの健全な運営と、安全で快適な交通環境の提供を目指す上で不可欠な取り組みと位置づけられています。割引措置の継続は、企業の物流コストへの影響を緩和し、経済活動への配慮を示しています。首都高速道路は、料金改定に伴い、ETC利用者の利便性を考慮した柔軟な料金設定を導入しており、今後も利用状況に応じたきめ細やかなサービス提供を追求していく方針です。
急増する車両火災と安全行動の徹底
会見で青木社長が特に注目を促したのは、首都高速道路管内での車両火災の増加傾向です。2025年度には26件の車両火災が発生し、これは過去5年間で約2.4倍に急増している現状を示しています。同社が公開した映像では、トンネル内で火災を起こした車両を後続車が危険を顧みずに追い越していく様子が捉えられており、このような行為は爆発に巻き込まれる危険性があるため、「火災車両を追い越さずに手前で停止すること」「トンネル手前の信号機に従い停止すること」という二つの基本的な安全ルールを改めて強調しました。
車両火災の主な原因として、同社は発生件数の半数以上(55%)が車齢10年以上の経年車である点を挙げ、普通車や中型貨物車における経年劣化と過酷な走行状況が重なることでリスクが高まっていると分析しています。また、車齢5年未満の車両でも火災事故が約2割発生しており、これについては後付け電装品の配線不良や不適切なメンテナンスが原因である可能性が高いと推定されています。青木社長は、万一車両火災に遭遇した場合、あるいは自身が火災を起こしてしまった場合でも、速やかに安全な場所に停車し、避難と通報を行うことの重要性を強く呼びかけました。これらの対策は、首都高速道路における交通の安全性を確保し、緊急事態発生時の被害を最小限に抑えるために不可欠です。