日本の書店数が初の1万店割れ、読書機会の地域格差が拡大





日本の書店数が歴史上初めて1万店を割り込み、本に触れる機会の地域間格差が顕著に拡大しています。これは、デジタル化の進展や消費行動の変化が、実店舗としての書店に与える影響の大きさを物語っています。読書文化の維持と発展に向けた新たな取り組みが求められる状況です。
近年、書店の減少は続き、ピーク時の約4割にまで落ち込みました。これは、単に店舗数が減るだけでなく、人々が本と出会う場所が失われることを意味します。特に地方ではこの傾向が強く、地域の文化活動にも影響を及ぼしています。
書店数の減少と地域格差の拡大
国内の書店数は、2026年3月末時点で9993店となり、初めて1万店の大台を割り込みました。これは、1998年の最盛期と比較すると約6割の減少にあたります。同年度には102店が新規オープンしたものの、499店が閉店しており、減少傾向に歯止めがかからない状況です。この書店数の減少は、都市部と地方における「本にアクセスできる機会」の格差を一層広げています。大都市圏ではまだ多様な書店が存在する一方で、地方では書店そのものが姿を消しつつあります。
一般社団法人日本出版インフラセンターの調査によると、書店数の減少は過去数十年間のトレンドであり、特に近年のペースは加速しています。インターネット通販の普及、電子書籍の台頭、そして若年層の活字離れなどが複合的に影響していると考えられます。地方においては、人口減少や高齢化も書店の経営を圧迫する要因となり、地域の活性化にも陰を落としています。このような状況は、国民全体の読書習慣や文化的な知識の習得にも影響を及ぼす可能性があり、社会全体でその解決策を模索する必要があります。
「無書店自治体」の増加と文化への影響
全国に書店が全く存在しない「無書店自治体」の数は年々増加しており、一般財団法人出版文化産業振興財団の統計によれば、2026年3月現在、全国の市区町村の約3割にあたる510カ所がこれに該当します。これは、地域住民が物理的に本を手に取り、選び、購入する機会が著しく減少していることを示しています。特に過疎地域や地方都市では、この問題が深刻化しており、住民が本を通じて多様な情報や文化に触れる機会が失われつつあります。これにより、都市部と地方間での「本に触れる格差」が拡大し、文化的な不均衡が生じています。
「無書店自治体」の増加は、地域コミュニティにおける文化的な空白を生み出し、教育や情報格差の問題にも繋がりかねません。書店は単なる書籍販売の場だけでなく、地域の文化交流拠点や情報発信の場としての役割も担っていました。書店の減少は、こうした多面的な役割が失われることを意味し、特に子どもたちの読書習慣の形成や、多様な知識へのアクセスを阻害する恐れがあります。この問題に対処するためには、地域図書館の充実、移動販売車の導入、オンラインと連携した新たな読書推進モデルの構築など、多角的なアプローチが求められています。