麻布十番に誕生した「肉割烹 喜円」:名店の系譜を受け継ぐ新たな美食体験







麻布十番に「肉割烹 喜円」が華々しくオープンしました。この新店は、食通たちの間で高い評価を受ける「The Tabelog Award 2026」でブロンズに輝いた「肉割烹 上」の系譜を継ぐ存在です。長年西麻布でその名を馳せた「上」が麻布十番へ移転するに伴い、その旧店舗の地に、新たな肉割烹の旗手として「喜円」が誕生しました。単なる姉妹店に留まらず、新たな創造性を追求するセカンドラインとしての期待が寄せられています。
この「喜円」を率いるのは、35歳の若き才能、丸子隼人新料理長です。彼は「肉割烹 上」の前料理長である大久保丈太郎氏に約7年間師事し、その技術と精神を深く学びました。故郷宮城の高校で調理科を卒業後、上京し、京料理の老舗「熊魚菴 たん熊北店 東京ドームホテル店」で5年間、和食の基礎を徹底的に習得。その後、天ぷら料理の経験を経て、28歳で「上」の門を叩きました。当時、急速に注目を集めていた「肉割烹」というジャンルに新たな可能性を見出し、自身のキャリアをその道に捧げることを決意したのです。
「喜円」の料理で主役となるのは、厳選された「三田勢戸牛」です。この牛肉は、大久保前料理長が長年の経験に基づき、その卓越した品質を見定めた逸品。彼が「焼いた時の肉汁の量が格段に違う」と絶賛するこのブランド牛は、数々の一流料理人たちも認める希少価値の高いものです。丸子料理長によると、市場にはほとんど出回らないというこの牛肉は、生産者である勢戸氏の丁寧な飼育法によって育まれています。33〜37ヶ月という長期間の肥育に加え、独自の配合飼料を与えることで、肉本来の旨みが凝縮され、非常に濃厚な味わいを生み出しています。それでいて、脂の融点が低いため、口の中でとろけるような軽やかさを持ち合わせているのが、この牛肉の大きな魅力となっています。
肉の魅力を最大限に引き出すため、大久保前料理長はこれまで、肉尽くしのコースであっても最後まで飽きさせない肉を追求し、様々な種類の牛肉を試行錯誤してきました。その長年の努力と情熱が「三田勢戸牛」という選択に結実したと言えるでしょう。丸子料理長は、この先代の思いをしっかりと受け継ぎつつ、さらに新たな挑戦としてホルモン料理をコースに導入しました。これにより、「喜円」のコースは、肉の多様な部位と調理法を堪能できる全11〜12品からなる、より一層深みのある内容となっています。
コースの幕開けを飾るのは、「越冬メークインのガレット」。じゃがいもをベースにしたガレットに、甘エビのタルタルと燻製ブレザオラ(牛肉の生ハム)が添えられています。ガレットは、サクサクとした食感を出すために一度揚げてから焼かれており、そこに甘エビのまろやかさとブレザオラの塩味が絶妙に調和し、食感の面白さと共に奥深い味わいを創出しています。まさに、これから始まる美食体験への期待感を高めるにふさわしい、見事なスターターと言えるでしょう。
麻布十番の新たな肉割烹「喜円」は、伝統を受け継ぎながらも革新を追求する丸子隼人料理長の情熱が詰まった店舗です。厳選された希少な三田勢戸牛と、それを最大限に活かす創意工夫に満ちた料理の数々が、訪れる人々に忘れられない食の感動を提供することでしょう。