恵比寿に誕生した予約困難な焼き鳥の新星「ひき田」:薪と炭の二刀流で織りなす究極の味覚体験






恵比寿駅からほど近い場所に、2026年6月1日、新たな焼き鳥の名店「ひき田」が暖簾を掲げました。この店の主人は、名高い「薪鳥新神戸」で研鑽を積んだ疋田豊樹氏。彼は長年の夢であった独立を実現し、独自の焼き鳥道を確立しました。
疋田氏の料理人としての道は中学時代に始まり、19歳で葉山の「日影茶屋」にて修行を積みます。その後、「あいちや」や「分とく山」といった日本料理店で経験を重ね、さらに3年半にわたり手打ちそばの技術も習得しました。しかし、彼の情熱は焼き鳥へと向かい、「たて森」や「ヨシモリ」での出会いを経て、2021年には「薪鳥新神戸」の大将に就任。そして今回、40代での独立という目標を達成し、恵比寿の地で自身の集大成となる店をオープンさせました。この「ひき田」の最大の魅力は、薪火と炭火という異なる二つの熱源を巧みに操る火入れ技術にあります。店内のカウンター奥には、特注の薪火窯と薪火台が設えられ、さらに炭火台も加わり、多様な熱源が串焼きの可能性を広げています。楢や樫の薪が放つ柔らかな熱と燻香、そして備長炭から生まれる強い遠赤外線効果を使い分けることで、それぞれの食材が持つ本来の旨味を最大限に引き出すことに成功しています。メニューは20,000円のコース一つに絞られ、その幕開けを飾るのは、看板料理である「本家比内地鶏」のもも肉です。薪火の香りをまとわせながらじっくりと焼き上げられ、肉汁を閉じ込めた一串はまさに絶品。続いて登場する「きさ輝地鶏」のもも肉は備長炭で香ばしく仕上げられ、熱源の違いがもたらす風味のコントラストを楽しむことができます。この他にも、とろけるようなレバー、時間をかけて丁寧に火入れされたカブ、そして山の恵みを感じさせる椎茸など、どれもが珠玉の逸品です。コースの後半には、秘伝の日本酒香るタレを纏ったソリや肩肉、そして薪と炭を組み合わせた手羽先など、疋田氏の技が光る独創的な料理が並びます。店内は、熱源の躍動感を間近で感じられるよう、ゆったりと配置された8席のカウンターのみ。来店者が早めに到着した場合でも、くつろいで過ごせるウェイティングスペースも完備されています。店の外観は、あえて店名を掲げず、疋田家の家紋のみを配することで、隠れ家のような雰囲気を醸し出し、訪れる人々に特別な体験を提供しています。
この店は、単なる食事処ではなく、料理人の長年の研鑽と情熱、そして食材への深い敬意が凝縮された芸術作品と言えるでしょう。一皿一皿に込められた職人技と、細部にまで行き届いた心遣いが、訪れる客人に深い感動を与えます。私たちは、このような真摯なものづくりに触れることで、日常の中に潜む美しさや、努力が実を結ぶ喜びを感じ取ることができます。食を通して得られる感動は、人生を豊かにし、明日への活力を与えてくれるものと信じています。